輸血検査このページを印刷する - 輸血検査

輸血は、病気や手術などで必要な血液成分(赤血球や血小板、凝固因子など)が不足した場合に他者の血液成分によりそれを補うことをいいます。肝臓移植、腎臓移植、心臓移植といった臓器移植のひとつであるとされ、安全に行うための検査が必ず必要になります。 輸血にも“合う”血液と“合わない”血液があります。 “合う”条件として最も重要なのが血液型です。今ではありえない話ですが・・昔のドラマであった「A型の方いらっしゃいませんか!?」と看護師さんが叫んでいるシーン。 これは、A型の人にB型の血液を輸血するとその血液(赤血球)が溶けてしまい、重体に陥ってしまうため、患者さまと同じ血液型の方を探しているわけです。輸血の基本は同じ血液型。だからこそ間違いがないように血液製剤は型別で色分けされています(写真参照)。

 

 

ただし、常に同じでなくてはいけないわけではありません。同型でなくても溶けない組み合わせがあるのです。 赤血球製剤はO型が何型に輸血しても大丈夫な万能製剤!血小板製剤や血漿製剤(凝固因子製剤)はAB型が万能製剤!!大出血など血液型の検査すら行う時間がない緊急時は、O型赤血球製剤やAB型血漿製剤(異型適合輸血といいます)の使用も考慮しなくてはなりません。 上記の検査は他人の血液を使用する場合ですが、緊急ではない予定された手術において術前に自分の血液を貯めておき、手術時に使用する自己血輸血というのがあります。 他人の血液を使用することによる感染症やアレルギー反応などの副作用を防ぐことができる利点があります。輸血検査室では、この自家採血した血液の調整、保管管理も行っています。

全自動輸血検査装置

血液型検査用試薬

 

少し難しい検査もあります。

血液型が同じでも、“合わない”場合があります。その原因で最も多いのが不規則抗体といわれるものです。
人間は自分以外(細菌やウイルスなどなど・・)の異物が体内に入ると、それを除去しようと抗体を産生します。
赤血球に対してもそうです。過去に輸血、妊娠・出産などの経験があると、この不規則抗体を持っていることがあります。生まれつき持っている人もいます。
輸血検査室では、血液型や不規則抗体をはじめ、さまざまな検査を行い、それぞれの患者さまに“合う”血液を決めています。