細菌検査このページを印刷する - 細菌検査

感染症は微生物によって引き起こされる病気です。 病気の原因となる微生物には、原虫、真菌、細菌、ウイルスなどがあります。
膀胱炎になっておしっこをするときに痛みがあったり、尿が濁る、臭いが強くなったりしたことはありませんか?この膀胱炎は微生物の中の細菌による感染症のうちのひとつなのです。
細菌検査は感染症の中でも特に細菌感染症について調べる検査です。
感染症があるかないかを早く、的確に見極めて、感染症の原因となっている菌がどんな性質をもつかを調べ、治療に一番効く薬を選ぶために必要な検査です。

 

一般細菌検査

喀痰・尿・膿・糞便・血液などを検査材料とし、塗抹検査と培養を行います。
塗抹検査はスライドガラスに検体を塗って染色液で染め、顕微鏡で菌がいるかいないか、どんな形で何色に染まっているかを観察します。
菌によっては特有な形をしているため、この時点でおおよその見当をつける事が出来るので大切な情報源となります。
培養は、人工的に菌を発育させる事をいい、色々な種類の培地を使用します。
培地は畑でいう土の役割をし、菌が育つのに必要な栄養素が含まれています。発育に必要とされる栄養素は菌によって異なり、酸素を好んで発育する菌、一定温度でしか発育しない菌など発育条件も異なります。そのため培地を使い分け、菌が一番育ちやすい環境で培養します。
培養には平均1~3日かかり、発育すると培地上に点状のポツポツとした集落が形成されます。
これはコロニーと呼ばれるもので、菌の存在を証明するものとなります。しかし、コロニー形成=感染症があるではなく、感染症の原因となる菌は尿や喀痰、血液・・・など検査材料によっても差があります。これは私たちの体内に常在菌が存在するからです。
感染症の原因である細菌がわかると、薬剤感受性検査を行います。原因菌に一番効く薬が何かを調べる検査です。この検査により治療に使う薬が決まります。細菌は抗生物質で治療できるのです。

 

 

真菌検査

カビ、酵母、キノコ、これらをまとめて真菌といいます。 形の違いから酵母と菌糸に分けられ、酵母は一個一個の単一細胞からなり、菌糸は糸状のつくりをしています。 酵母のひとつにカンジダとよばれるものがあります。膣カンジダなどの原因菌として耳にする真菌ですが、女性の膣内には常在菌として存在し、普段は体のバランスを保っています。 病気などで免疫力が低下すると局所で病原性を発揮して、時に気管支・肺などの呼吸器や内臓を侵すこともあります。 水虫なども真菌の一種です。

 

 カンジダ

 

抗酸菌検査

今でも恐ろしい病気として結核があります。 抗酸菌の一種となる結核菌が原因となって引き起こされます。 抗酸菌は一度染色されると酸やアルコールで脱色されにくいことから抗酸菌と呼ばれます。 抗酸菌は結核の原因となる結核菌とそれ以外の非結核性抗酸菌群に大きく分けられます。 抗酸菌は脂肪分をたくさん含むため、特殊な染色液で染色します。 検査としては、一般細菌と同様に塗抹検査、培養(抗酸菌専用の固形培地を使います)を行い抗酸菌がいるかいないか調べます。ただし培養には2ヶ月近くかかる場合もあります。

 結核菌