病理検査このページを印刷する - 病理検査

病理は平成20年4月に新設されました。常勤病理医(認定病理医、細胞診専門医)1名、非常勤病理医2名、臨床検査技師2名(細胞検査士2名)で、病理組織検査、術中迅速病理組織検査、細胞診検査、術中迅速細胞診、病理解剖を行っています。

 

病理組織検査

病理組織検査は患者さまの病変部から採取された組織検体(生検材料や手術材料)を顕微鏡で病理組織学的に診断する検査です。病変部そのものを組織・細胞・分子レベルで評価し、適切な治療を行う上で有用な情報を提供します。病理組織検査は様々な処理行程が必要なため、組織が提出されて診断がでるまで2~5日程度を要する時間のかかる検査です。

先ず、採取された組織は10%ホルマリンで固定されます(同時に細菌検査や遺伝子検査を行う場合には、別途連絡し、未固定のまま提出されます)。固定された組織は病理医の手で病変部を小さく切り出され、脱水、脱アルコール、包埋剤浸透処理を経てパラフィンという蝋で固められます。パラフィン包埋された組織は2~4μmの薄さに切られ、Hematoxylin-Eosin(HE)染色やその他特殊染色で色付けされ、標本が作製されます。

その後、病理医が顕微鏡で標本を観察し、病変の有無、腫瘍の良悪性、広がり、深達度、切除断端の腫瘍の有無等を評価・診断を行います。組織の形態のみでは判定が困難な場合、更に数日かけて免疫組織化学的染色を行います。

薄切の様子

 染色後の標本

 

術中迅速病理組織検査

手術中に採取された組織を急速に冷凍して、薄く切り、染色し、顕微鏡で観察します。通常の組織検査よりやや正確さに欠けますが、手術中に診断がされるため、過剰な手術侵襲を避けることができます。同様に病理医が行い、15分~30分程度要します。

 

細胞診検査

細胞診検査は擦過や穿刺で採取された細胞を顕微鏡で観察し、悪性細胞の有無、感染症の有無等を診断する検査です。
検体には婦人科スメア、尿、喀痰、体腔液、等があり、標本を作製し、95%アルコールで固定します。固定後はPapanicolou染色やGiemsa染色で細胞に色を付け顕微鏡で観察・診断を行います。スクリーニングは細胞検査士、陽性診断は病理医が行い、結果報告に1~3日程度要します。

鏡検の様子

 悪性細胞

 

術中迅速細胞診

手術中に採取された検体を顕微鏡で観察し、悪性細胞の有無、感染症の有無等を診断します。診断は病理医と細胞検査士が行い、30分程度要します。

 

病理解剖

不幸にして亡くなられた患者さまの死因、病変部等の確認を病理組織検査と同様に行います。診断後ご遺族様への説明、臨床病理の会(CPC:臨床各科との合同カンファレンス)が行われます。