生理検査このページを印刷する - 生理検査

安静時心電図(標準12誘導)

もっとも基本的な心臓の検査.主に不整脈や狭心症・心筋梗塞を調べます.
健康診断や人間ドックなどの集団検診や手術前にも行われています.
心臓を動かしている電気の流れを,波形で表現したものを心電図といいます.
検査:両手と足首,胸に電極をつけ,記録します.
検査時間:5分

 

運動負荷試験

運動することによって起こる狭心症の判定や,心臓疾患をもつ患者が運動に耐え られるかの判定を行うための検査です.
また脈が遅い患者で,運動によって十分な心拍数まで上がるかどうかを知りたい 場合にも行います. マスターの2階段試験
凸型の階段を昇降して往復する運動を一定時間一定回数行って心臓に負担 をかけ,安静時と運動後の心電図を比べて判定を行います.
検査時間:15~20分

 

トレッドミル

速度・傾きの変えられるベルトコンベア状の機械の上を歩き,運動します.
心電図の電極を着けて行い,運動前・中・後の心電図変化を観察し判定します.
検査時間:30分

 

加算平均心電図

重症になる可能性の高い不整脈が起こりやすいかを調べる検査です.
検査:胸と背中にシールの電極を貼り付け,電極とコードでつながっている小型の心電図記録器へ記録します.その心電図を解析専用ソフトの入ったパソコンに取り込み,解析します.

LP(遅延電位)

20分間心電図を記録します.記録した心電図波形を重ね合わせて表示すると, 検出したい微弱な波を増大させることができます.その増幅させた波の出現 時間や電圧によって判定します. 検査時間:30分

 

ホルター心電図(24時間心電図)

病院で行う安静時心電図は,その時点での心臓の状態の記録です.検査時にその不整脈や発作が起きていなければ見つけることができません.
運動時や夜間・早朝に起こる発作,数の少ない不整脈や動悸・胸痛などの胸部症 状を調べるために行うのがホルター心電図です.
検査:胸にシールの電極を貼り付け,電極とコードでつながっている小型の心電図 記録器を携帯し,1日(24時間)の心電図を記録します.翌日,記録した心電図を 解析専用ソフトの入ったパソコンに取り込み,不整脈の種類や数,起きている時間 などを解析します.
検査時間:約24時間

 

24時間自由行動下血圧測定

血圧の日内変動は個人差が大きく,日中の活動、睡眠中でも変化します.通常の血圧測定では捉えられない24時間の血圧変動を調べることができます.
検査:上腕にカフを巻き,カフとコードでつながっている血圧計を携帯し,1日(24時間)の血圧を30分おきに記録します.翌日,記録した血圧データから,24時間の血圧変動を解析します.
検査時間:約24時間

 

自律神経機能検査

CVR-R

主に糖尿病患者において,自律神経の機能が損なわれていないかを調べる検査です. 検査:安静時心電図の検査と同様の姿勢で行います.3分間の心電図記録の心拍と 心拍の間隔を計測し,解析します. 検査時間:10分

ヘッドアップチルトテスト

原因不明の失神やめまいのある患者で,神経調節性失神が疑われる場合に 行います.
検査:立った状態を続けることよって起こる心電図と血圧の変化を測定します.
検査時間:1時間30分

 

呼吸機能検査(肺機能検査)

慢性閉塞性肺疾患(COPD.慢性気管支炎,肺気腫)や気管支喘息,間質性肺炎, 肺繊維症などの診断や重症度判定,薬の効果判定などに用いる検査です. 人間ドックや手術前などでも行われます. 検査:やりかたの基本は,機械につながったホースの先を口でくわえ,鼻をつまん で口だけで息をします.その状態のまま,臨床検査技師の合図に合わせて長く吹 いたり強く吹いたり,口で色々な呼吸をします.さまざまな呼吸のやりかたで検査し, 肺活量,一秒量,一秒率,残気量など多くの項目を測定します.
検査時間:15~30分
肺活量(VC)
フローボリューム,努力性肺活量(FVC)
機能的残気量(FRC)
肺拡散能(DLCO)

圧脈波検査

足関節上腕血圧比/脈波(ABI/PWV)検査
動脈硬化(高血圧,糖尿病などによっても起こる)の診断に用いる検査です.
検査:両腕両足首に血圧測定のカフを巻き,血圧と脈の波形を測定します.計測値 や波形によって判定します.
検査時間:10分

 

つま先立ち負荷

まっすぐに立ち,両足でつま先立ちして戻るという動作を繰り返し行います.
安静時と運動後に測定を行い,運動前後を比べて判定をします.
検査時間:20分

 

皮膚灌流圧(SPP)検査

足の皮膚の血流の状態を測定し,末梢血管の血流障害の程度を推測する検査です. 糖尿病などによって足に潰瘍のある患者では,潰瘍の治癒の可能性を判定します. 検査:足に血流を感知するセンサーをあて,その上から血圧測定のカフを巻きます. 血流を止める程度にカフを加圧した後,圧力を徐々に下げ,再び血流が回復したと きの圧(SPP)を測定し判定します. 検査時間:30分

 

聴力検査

オージオグラム

中耳炎,突発性難聴,騒音性難聴,メニエール病などの難聴の程度を調べる検査です. 健康診断でも行われます.
検査:防音室で両耳にヘッドホンをつけます.125~8000Hzのさまざまな高さの音を聴き,どのくらい小さな音が聞こえるかを測定します.
検査時間:15分

 

チンパノメトリ

中耳炎,耳管狭窄症,鼓膜裂孔などの患者で,耳の鼓膜や耳小骨の具合を調べる検査です. 検査:小さな機械を耳に当て,鼓膜の動きを測定します.
検査時間:10分

 

リフレックス

顔面にある神経の障害(顔面神経麻痺)が,耳の中にあるアブミ骨筋の障害によっ て起こったものかを調べる検査です.
大きな音が入ってくると,耳の障害を防ぐためアブミ骨筋が鼓膜の動きを制限する という働きがあります.
検査:片耳に音の高さと大きさを変えて聞かせ,アブミ骨筋が機能しているかを調べます.
検査時間:10分

 

脳波検査

てんかん,けいれん,意識障害,脳外傷,脳腫瘍,脳死判定などで行われる検査です.
さまざまな脳の病気やけがによって,脳の活動は障害されます.脳の活動というの は電気の流れそのものです.その電気信号を頭皮につけた電極で感知して,波形 として記録することによって,脳の障害した部位や種類を知ることができます.
検査:ごく小さな皿のような電極がたくさん縫い付けられた帽子を頭にかぶります.
ベッドに寝て目を閉じた状態で,脳波を記録します.
「開閉眼」や「光刺激」,「過呼吸」を行うことによって安静閉眼時には現れない脳波 を引き出し,その変化を観察します.また「睡眠」時の脳波を記録することもあります.
検査時間:60分

 

神経伝導速度

四肢のしびれや脱力のある患者また糖尿病で神経障害のある患者で,末梢神経 障害が疑われる場合にその度合いを調べるために行います.
検査:手首・掌・肘を通る神経を検査します.皮膚の上から神経に沿った2ヶ所を電 気刺激して電気の伝わる速度を測定します.電気で刺激するため,その部位がぴ りぴりしますが体には影響ありません.
検査時間:30分