免疫チェックポイント阻害剤について
平成30年のノーベル生理学・医学賞に、ニボルマブ(商品名オプジーボ)を発明した京都大学の本庶佑先生が選ばれました。本庶先生は、平成29年4月に鹿児島で開催された日本泌尿器科学会総会に参加していただき、「がんを免疫力で治す」という題名でオプジーボの開発に関するご講演をしていただきました。平成28年8月に転移性腎細胞癌に対し免疫チェックポイント阻害剤であるオプジーボが泌尿器科の癌において初めて承認されました。 当院では鹿児島県内で最も早く10月よりニボルマブの治療を開始しました。他施設から患者さまの紹介もあり、平成28年度は県内で最も使用症例数が多い施設となっております。
令和元年5月、日本泌尿器科学会により腎癌診療ガイドラインが改訂されました。これまで中/高リスクの進行腎癌に対する1次治療は分子標的治療薬が推奨されていました。今回の改定で免疫チェックポイント阻害剤であるイピリムマブ+ニボルマブ併用療法が推奨されることになりました。当院でも平成30年10月からイピリムマブ+ニボルマブ併用療法を行っています。(※イピリムマブ+ニボルマブ併用療法は平成30年8月に適応承認されています)。
膀胱癌、腎盂・尿管癌(尿路上皮癌):
膀胱癌や腎盂・尿管癌といった尿路上皮癌に対しても免疫チェックポイント阻害剤が有効な場合があります。平成29年12月に「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」に対しペンブロリズマブ(商品名キイトルーダ)が適応承認されました。当院でも平成30年8月からペンブロリズマブ治療を開始しています。
前立腺癌:
これまで前立腺癌は免疫チェックポイント阻害剤が効きにくいとされ、使用できませんでした。平成30年12月に「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に対しペンブロリズマブが適応承認されました。前立腺癌でも、ある種の遺伝子変化(MSI-High)を認めれば免疫チェックポイント阻害剤に効果を示す可能性があります(※MSI-High を調べるためには病理組織検体が必要です)。
令和元年5月、日本泌尿器科学会により腎癌診療ガイドラインが改訂されました。これまで中/高リスクの進行腎癌に対する1次治療は分子標的治療薬が推奨されていました。今回の改定で免疫チェックポイント阻害剤であるイピリムマブ+ニボルマブ併用療法が推奨されることになりました。当院でも平成30年10月からイピリムマブ+ニボルマブ併用療法を行っています。(※イピリムマブ+ニボルマブ併用療法は平成30年8月に適応承認されています)。
膀胱癌、腎盂・尿管癌(尿路上皮癌):
膀胱癌や腎盂・尿管癌といった尿路上皮癌に対しても免疫チェックポイント阻害剤が有効な場合があります。平成29年12月に「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」に対しペンブロリズマブ(商品名キイトルーダ)が適応承認されました。当院でも平成30年8月からペンブロリズマブ治療を開始しています。
前立腺癌:
これまで前立腺癌は免疫チェックポイント阻害剤が効きにくいとされ、使用できませんでした。平成30年12月に「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」に対しペンブロリズマブが適応承認されました。前立腺癌でも、ある種の遺伝子変化(MSI-High)を認めれば免疫チェックポイント阻害剤に効果を示す可能性があります(※MSI-High を調べるためには病理組織検体が必要です)。
ニボルマブの作用機序
ニボルマブは、がんによる免疫抑制を解除することで、人が本来持つ免疫活性を回復・活性化させ、腫瘍増殖を抑制する、これまでの治療とは全く異なる作用機序をもった薬剤です。
ニボルマブの適応と治療効果(腎癌について)
ニボルマブの適応は、根治切除不能または転移性の腎細胞がんです。患者さまの状態により適応が若干異なりますので、詳細は泌尿器科の治療担当医にお尋ねください。
臨床試験において25%の方に治療効果があったと報告されております。
臨床試験において25%の方に治療効果があったと報告されております。
免疫関連有害事象(irAE)とその対策
ニボルマブは患者さま自身の免疫に作用するお薬ですので、免疫関連有害事象(irAE)といった副作用が出ることがあります。当院は多くの診療科があり、irAE に即座に対応するためのクリティカルパスや救急対応マニュアルを作成し、他科の先生方と緊密に連携して合併症対策・管理を行っています。KISNet(Kagoshima Immunotherapy Support Network)というグループを立ち上げ、定期的にirAE に対する勉強会を病院内外で開催しております。
ニボルマブや腎細胞がんに関する千代丸医長の講演・執筆活動
- 平成30 年9 月1 日
第30 回服薬指導セミナーin Kagoshima (鹿児島市勤労者交流センター第1 会議室) 腎がんと薬物療法 - 平成30 年8 月17 日
RCC immune conference in Miyakonojo (都城医療センター) 鹿児島医療センターにおけるNivolumab の使用経験とirAE 対策 - 平成30 年4 月20 日
第106 回日本泌尿器科学会総会(京都) 一般口演・腎腫瘍・薬物療法(1) 当院におけるニボルマブの初期使用経験 - 平成30 年2 月16 日
Kagoshima Immunotherapy Support Network (KISNet) 錦江湾ベイサイドカンファレンス(ドルフィンポート1F ドルフィンホール)
Session 2 パネルディスカッション【実際に経験したirAE とその対応】◎内分泌疾患「1 型糖尿病」 - 平成30 年1 月16 日発行
Year Book of RCC 2017 p.15-18 メディカルビュー社、抗PD-1交代の使用例で重篤なirAE として劇症1 型糖尿病を発症した症例の提示 - 平成29 年6 月29 日
鹿児島腎細胞がんI-O カンファレンスCase report & Discussion 講師 当院におけるオプジーボの使用経験について - 平成28 年12 月18 日
第133 回日本泌尿器科学会鹿児島地方会 当院における転移性腎細胞癌に対するニボルマブの初期使用経験