独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

TAVI(TransCatheter Aortic Valve Implantation):経カテーテル的大動脈弁置換術がはじまりました!

 TAVIの特徴は、カテーテルを使用し、開胸することなく、心臓を止めることなく、低侵襲的に患者さまの心臓に人工弁を留置する方法です。
 従来の外科手術と比較し、人工心肺を使用しなくて済むことから、患者さまの体への負担が少なく、高齢で体力が低下している患者さまや他の疾患リスクを有する患者さまなどが対象となりますが、入院期間も短くなることも期待されております。

経カテーテル的大動脈弁置換術 
 「大動脈弁狭窄症」は大動脈弁の開きが悪くなり、血液の流れが妨げられてしまう病気です。65歳以上の大動脈弁狭窄症の罹患率は2〜3%と推定され、65〜100万人の潜在患者がいると推測されます。
その原因は、加齢に伴う石灰(カルシウム)の堆積によって発症することが多いといわれています。

 胸痛、失神、心不全などの症状出現後、急速に進行する病気で、重度大動脈弁狭窄症の5年生存率は、胃癌、肺癌などの疾患と同程度であり、症状が発現した後の生命予後は極めて悪い病気です。
 その治療の第一選択は外科的人工弁置換術で、全身麻酔管理のもとで、開胸、開心術をおこない、人工弁に置き換えるものです。

 しかし、高齢などで体力が低下している患者さま、他の疾患などのリスクを抱えている患者さまにはハードルが高く、重度の大動脈弁狭窄症患者のうち、少なくとも40-70% の方は、外科的人工弁置換術を受けることができていない状況です。

 そこで2013年10月から国内でTAVI (TransCatheter Aortic Valve Implantation):経カテーテル的大動脈弁置換術という新しい治療法がはじまりましたが、鹿児島では行うことができず、鹿児島の患者さまを福岡、熊本に紹介し、治療してもらう日々が続きました。
 そして2017年6月にようやく鹿児島医療センターで、鹿児島で初めてのTAVIを始めることができました。

 その特徴は、カテーテルを使用し、開胸することなく、心臓を止めることなく、低侵襲的に患者さまの心臓に人工弁を留置する方法です。従来の外科手術と比較し、人工心肺を使用しなくて済むことから、患者さまの体への負担が少なく、高齢で体力が低下している患者さまや他の疾患リスクを有する患者さまなどが対象となりますが、入院期間も短くなることも期待されております。

 一方、合併症が生じた場合、重篤な状態となる可能性が高く、その治療を選択するにあたっては、循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医、臨床工学技士、放射線科技師、生理検査技師、各部門の専門看護師が協力して治療にあたる「ハートチーム」を結成し、診療科の垣根を越えて、それぞれの専門分野の知識や経験を駆使し、患者さまに一番良い治療法を選択し、術後管理までそのすべてのプロセスを「ハートチーム」で行っていきます。
 今後、鹿児島において大動脈弁狭窄症でお困りの多くの患者さまの治療に役立つことを期待しております。
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