独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

「鹿医セン便り Vol.177」

2021年1月1日(金)

~新年明けましておめでとうございます~

 新年明けましておめでとうございます。今年も地域医療に貢献するとともに鹿児島県の医療向上のために尽力したいと思います。宜しくお願いいたします。

 昨年は新型コロナウイルス感染症流行のため、日本中、世界中がパニック状態に陥ってしまいました。新型コロナウイルス感染一色で終わった感じがします。当院も当初から新型コロナ感染症には関わってきましたが、10月、11月は通常診療に軸足を置いた医療をさせてもらいました。12月からはコロナ感染症の爆発的増加に伴い、再度受入れを再開しています。長期化するコロナ対策の一つとして通常診療の維持も重要で、従来の機能を維持しながらコロナ感染症患者受入れを行うというかなり厳しい運用をせざるを得ません。また、医療崩壊が懸念される関西へのスタッフ派遣も行ってきました。新型コロナウイルス感染症対策の柱は重症化、死亡を減らす事、医療崩壊を防ぐことで今後とも鹿児島県のみならず、全国の状況も踏まえながらで応援支援を行うつもりです。
 コロナ禍で医療に対する考え方や行動様式が変わるきっかけにもなりました。当院も感染予防に留意しながらの急患対応、入院患者の感染症対策、職員の感染に対する意識向上など明らかに変わってきました。この経験はコロナ禍後も充分活かせると思っています。一部リモート診療も始まりましたが、一般的な診療になるにはもう少し時間がかかりそうです。私たちはどのような状況においても救急医療や高度医療を維持し、鹿児島の住民の方々の健康を守る一翼が担えたら幸いです。何はともあれ、新型コロナ感染症が終息し、通常の日常を取り戻したいものです。
 コロナ感染症流行前より地域医療構想が話題になっていました。最近まで鹿児島県の人口が減少するも鹿児島市は増加傾向を示していましたが、ついに鹿児島市の人口もピークを過ぎたようです。このことを踏まえながら2030年、あるいは2040年の医療の形を考えなくてはなりません。全国的には鹿児島県はベッド数が多い地域と言われていますが、有床診療所や病院の縮小・閉院でベッドが減少に転じる可能性もあります。今後の鹿児島の医療システムをどう作り上げるか喫緊の課題です。鹿児島県の医療行政、鹿児島大学、公的病院、医師会の皆さんとよく検討をし、素晴らしいシステムを作らなくてはなりません。医療側にも高度医療、さらにチーム医療、大がかりな設備や装置、安心、安全な医療行為など様々な改善すべき要因があります。難問ですが、今まで行っていた医療システムを180度変えるぐらいのドラスティックな構造改革が必要になるかもしれません。後世が困る事のない医療システムの基礎を構築し、次の世代が良いシステムを完成させることを願っています。
 まずは「今助けられる命を助ける」本来の仕事を第一としながら未来に繋ぐシステム作りも行っていきたいものです。

院長 田中 康博

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Index

◆ 令和3年 院長挨拶
◆ 令和3年 幹部年賀状
◆ 第51回桜島火山爆発総合防災訓練(住民避難訓練)参加報告
◆ 第27回愛祈祭を開催して
◆ 学校法人津曲学園鹿児島国際大学との看護学部設立・運営に関する包括連携協定書締結にかかる調印式ついて

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