独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

「鹿医セン便り Vol.180」

2021年4月1日(木)

令和3年度 院長挨拶  院長 田中 康博

 令和3年度が始まりご挨拶を申し上げます。

   昨年度は新型コロナ感染症一色の一年でした。新型コロナ感染症患者を受け入れながら、実績を積み重ねておりましたが、令和3年2月上旬に院内クラスターが発生し、多くの方々にご迷惑をおかけいたました。延期できない治療を除き通常診療を完全停止しました。厚生労働省のクラスター班、鹿児島県、市の感染対策の協力を頂きながら、対策・対応を行いましたが、なかなか大変でした。今までも感染には注意していたものの、まだまだ不充分であったことに気づかされ、改めて勉強させられました。一方、検査や治療の遅れや緊急患者受け入れ不可など当院を希望されていた患者さまに対し、本当に申し訳なかったと思っております。

 新型コロナウイルスは無症状の人や潜伏期が5-14日と長い人がいるため、完全な水際対策は難しく、また基礎疾患やその治療による発熱の患者さまも多いですので発症を探知するのが難しいと感じております。できる対策をすべて講じ、より完全に近い予防対策をとることにしましたが、患者さまにも協力を強いる事になりました。外来患者さまには予約時間を厳格にすることや、かかりつけ医を持つことを勧め、外来でも密を解消しなくてはなりません。入院患者さまにも、入院2週間前から行動制限をお願いすることになりました。

 今回の院内クラスターで、鹿児島医療センターの医療の在り方や立ち位置、鹿児島の医療体制など再認識するきっかけにもなりました。どのような状況下でも動揺しない強靭な医療施設や医療体制の構築が必要と感じています。新型コロナ感染症の流行で、最も医療資源の多い東京ですら、医療崩壊と言われてしまいました。それに比べ、鹿児島では医療資源が乏しく、限られた資源をフル活用する仕組みが必要と感じています。また、スタッフの団結力や行動力を再確認する事ができました。組織にとって最も重要な力で、外部からも高い評価を頂きました。この力を今後の診療に是非活かしたいと思っております。

 令和3年3月22日、新型コロナウイルス院内クラスターの終息宣言をいたしました。この経験を忘れずに皆様が期待する医療を展開できるように益々精進する所存です。感染にも強い、より安全な医療機関としての再出発です。新型コロナ感染症は今まで経験したことのないウイルスで、手ごわい相手だと思いますが、乗り越えて行こうと思います。

 今年度も心臓・脳卒中・がん治療を中心とした高度医療を提供いたします。外来や東病棟など施設が古く、狭いため、機能性が低下するなど問題点も有ります。これらは建替えない限り解決できませんが、当院の実績を上げ、鹿児島になくてはならない病院であることを証明し、建替え許可を得る努力を続けようと思います。皆様の協力をもらいながら、鹿児島に役立つ機能的な病院が目標です。今年度もよろしくお願いいたします。

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