頭頚部癌についてこのページを印刷する - 頭頚部癌について

頭頸部癌症例は、年間120症例以上あり、診断、治療、治療後の経過観察と多職種でのチーム医療を目指しております。

  1. 診断では、紹介元医療機関からの情報提供をもとに、粘膜がんの診断のためにNBIによる内視鏡検査を導入しており、生検、頸部のエコー検査、CTやMRIなどの画像検査、消化器内科医によるファイバーでの上部消化管検査、近隣医療機関との連携によるPET検査を行い、癌の進行度を評価しています。
  2. 治療は、頭頸部癌治療の3本柱である手術、放射線治療、化学療法を集学的に行える環境です。癌の進行度を評価し、患者さま・御家族の意向も大切にし、治癒と機能の温存・回復を目指した治療法を選択できるよう、看護師の同席のもと病状の説明を行い、具体的なイメージができるようにしております。手術では、微小血管吻合を伴う遊離皮弁による再建手術(年間20例)も切除とともに自前で行っております。また、放射線治療も放射線治療専門医と連携取りながら、放射治療範囲の設定などが行える環境です。
  3. 治療後の経過観察では、紹介元の医療機関との連携を図りながら、治療後の機能向上、再発の早期発見等が行えるようにしています。
  4. 患者さま・御家族の意思決定の支援ができるよう認定看護師や臨床心理士などとのチームで関わり、また、緩和ケアについて、早期から患者さまの状態に応じた痛みなど症状のコントロールを行い、また、再発あるいは治癒困難な状態の患者さま・ご家族の支援、社会的、精神的、スピリチュアルな痛みについても対応できるよう、多職種(看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士・臨床心理士・医療ソーシャルワーカーなど)の緩和ケアチームとの合同カンファレンスを行い、実践しております。
  5. 頭頸部癌の治療に伴う機能障害(嚥下障害、構音障害、発声機能の喪失、咀嚼障害、上肢の運動障害など)は、治療後のQOLを低下させる大きな要因です。当院では、治療前からリハビリテーション医、理学療法士、言語療法士などの介入を積極的に取り入れており、病棟スタッフとの協働でQOL向上を目指しています。
  6. 治療に伴う合併症予防のため、歯科医師との連携による口腔ケアを積極的に行っています。