低髄液圧症候群(立位で頭痛)このページを印刷する - 低髄液圧症候群(立位で頭痛)

原因不明(特発性)あるいは交通外傷後(外傷性)に生ずる起立性頭痛で悩んであられる方が思った以上にたくさんおられます。 この疾患の特徴は座位あるいは立位をとると15分以内に頭痛,頭重感を来す、あるいは増悪する、横になると軽快するというような症状です。単に頭痛のみならず、背部痛、腰痛、四肢痛を伴うこともあり、めまい、耳鳴り 難聴、複視などの脳神経症状、微熱、血圧異常、動悸、胃腸障害などの自律神経症、また記憶力低下、思考力低下、集中力低下、睡眠障害などの大脳機能障害、鬱症状などを伴うことがあります。そのために就業困難となり社会生活に支障を来す方も多いようです。治療法としては保存的治療(安静、十分な水分摂取など)、それで軽快しない場合はブラッドパッチ(自家血硬膜外パッチ)を勧めます。自家血を硬膜外に注入し、その凝固により硬膜の裂け目を塞ぐというものです。

 



MRI(ブラッドパッチ前) 脳全体が頭蓋底に押しつけられる様な形で髄液間隙が減少しているのわかる。頭頂点外部では髄液腔が拡大(脳の下垂のために)し脳静脈が怒張している。ブラッドパッチ後に下垂の改善が見られます。