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1. 大動脈瘤切迫破裂に対する一時的大動脈内バルーン閉塞術(IABO)

 大動脈瘤の基本は、瘤径が5-6cm以上に成長したのを目途に、安定した状態でステントグラフト術や、開胸開腹手術を実施するのが一般的です。しかし不幸なことに、急速な大動脈瘤の成長により、予期せず破裂にいたり、突然のショックや死にいたることがあります。従来は救命する事がほぼ不可能でした。当院ではこのような非常に生命予後の厳しい患者さまに対して少しでも救命率を上げるために、破裂部上流の大動脈内に4cmのバルーンを留置して一時的に破裂部の止血を行うことにより、血圧の管理と共に突然死を予防し、速やかに外科手術の導入を行っています。

 

2. 心肺停止症例への対応

 様々な原因で心肺停止に陥った患者さまが搬入されて参ります。心肺停止の原因に関わらず、まずは胸骨圧迫を中心とした心肺蘇生が必須です。心肺停止の成功や、その後の社会復帰は、心肺蘇生技術と蘇生後の脳管理に大きく依存しています。当科では蘇生中の脳血流を近赤外線装置(NIRO-CCR1)を用いてモニターし、質と効率のよい心肺蘇生に心掛けております。また心肺蘇生後の脳循代謝管理に欠かせない体温管理も体温管理装置(ARCTIC SUN 5000)を用いて的確に実施しております。

 

3. ドクターカー導入

 2017.10月から人工呼吸器や除細動器等の医療機器を搭載し、医師と看護師が同乗して早期に診療と処置を開始できる高機能救急車であるドクターカーが当院に導入されました。しばらくは重症患者さまの病院間搬送や、当院へのドクターヘリ搬送患者さまの受け入れのためのヘリポートへのドッキングの2つに対して出動予定です。