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糖尿病・内分泌内科

当科は、日本糖尿病学会教育認定施設、日本内分泌学会認定教育施設、並びに日本甲状腺学会認定専門医施設です。主に糖尿病の診療と、バセドウ病や橋本病を中心とする甲状腺疾患、下垂体疾患、副腎疾患などの内分泌疾患全般についての診療を行っています。
 


 
中でも糖尿病診療においては、医師のみならず、看護師、管理栄養士、薬剤師、検査技師、理学療法士、心理療法士、医療ソーシャルワーカーなど様々な専門分野のスタッフの連携・協力を得ながら、それぞれの専門性を持ち寄ってトータルケアを行う『チーム医療』を実践しています。
現在、医師数は4名(うち、糖尿病専門医3名、内分泌専門医2名)で、日本看護協会認定糖尿病看護認定看護師兼日本糖尿病療養指導士(CDEJ)2名と、CDEJ (看護師、薬剤師、管理栄養士)7名が活動を行っています。

 

 

診療実績

糖尿病診療

外来について

 当科外来通院中の糖尿病患者数は約800名です。1型糖尿病や2型糖尿病のみならず、膵外分泌疾患や内分泌疾患、肝疾患、薬剤などによる様々な糖代謝異常の診療を行っています。
 糖尿病の治療目標、それは『健康な人と変わらない生活の質(QOL)の維持と寿命の確保』です。個々の患者さまの年齢、生活習慣や環境、合併症の有無、さらには精神面にまで十分配慮した、きめ細やかな患者さま主体の医療を心がけています。
 

当科の特徴

糖尿病の学習環境が整っています!
 外来待合室では、糖尿病に関するDVDやビデオを常に上映し、また自由に持ち帰ることが出来る多種のパンフレット類を取りそろえております。


栄養相談のみならず、食事体験も可能です!
 受診当日を含む患者希望日に栄養相談を受けられます。また、毎週木曜日には指導つきで病院のエネルギー調整食を摂取、体験していただくことも可能です(要予約、ご家族同伴も可)。

 
臨床検査の結果を即日フィードバックします!
 血糖・ヘモグロビンA1c・グリコアルブミン・インスリン・尿中微量アルブミンなどの重要検査結果を当日迅速にお伝えできる体制が整っています。自宅で数日間の血糖プロファイルが確認できる持続血糖モニターCGM(iPro2、FreeStyleリブレ)も可能です。
 
自己注射の外来導入が可能です!
インスリンやGLP-1受容体作働薬などの注射剤による治療が必要な患者さまに対しては、外来での導入(自己注射指導および血糖自己測定指導)も可能です。携帯型ポンプを用いる持続皮下インスリン注入療法(CSII)やリアルタイムCGMとCSIIを 組み合わせたSAP(sensor augmented pump therapy)も可能です(要入院)。
 
療養指導、糖尿病心理臨床に力を注いでいます!
特に療養生活や自己管理に問題を抱えている患者さまには、医師の診察前後に糖尿病看護認定看護師による療養相談を行っており、毎週水曜日の午前中には看護栄養外来の体制をとり、透析予防等を含めた幅広い療養指導を展開しています。更に、必要に応じて臨床心理士の介入も可能で、心理テストや心理療法を駆使してのアプローチやカウンセリング体制が整っています。
 
週1回のフットケア外来を実施しています!(フットケア外来のみの受診も可能です)
糖尿病神経障害や動脈硬化による変化が生じてくると、痛みを感じにくいために気づかないうちに足に傷ができ、それが進行すると潰瘍・壊死となり、最悪の場合は切断を余儀なくされます。当科では、毎週月曜日の13:00~17:00に完全予約制で予防に特化したフットケア外来を実施しており、足病変についての教育、予防、早期診断と重症化予防に努めています。また、フットケアを通しての糖尿病患者さまとの交流機会は、糖尿病療養指導における心理面を包括した新たな切り口としても重視されています。フットケア外来だけの受診も大歓迎ですので、遠慮なくご相談、ご紹介下さい。

 

(主な内容)
・末梢神経障害や血流障害のスクリーニング ・フットケア教育
・白癬の鏡検による診断と治療
・洗浄力と殺菌効果や組織浸透力に優れたナノバブル水を用いての足浴
・まき爪に対するワイヤー矯正やコットンテクニック・テーピング等の処置
・爪切り、ウオノメ・タコ削り、足底角化部研摩、保湿等
・3DOによる歩行時身体バランス並びに足底圧計測を基にしたインソール作成(月1回)

 

入院について

14日間の教育入院コースについて
自己血糖測定・記録を行いながら、治療による血糖値の変化を実感していただきます。更に、日々の患者さまと関わりにおいては、患者さまが自然と“思い”を表出できるよう、特に傾聴・共感に心がけ、患者さまの自己効力感(自分が行動しようと思っていることについての根拠のある自信や意欲)が向上し、行動変容のきっかけを見出せるよう支援しています。また、患者さま側から表出されにくい睡眠障害、排尿・勃起障害、鬱、睡眠時無呼吸症候群などの症状に関しても抽出できるよう工夫をしており、これらの早期発見・早期治療による生活の質(QOL)の改善に努めています。
 
毎週、糖尿病教室を行っています!
各科入院中の患者さまを対象として、毎週土~金曜日に糖尿病教室を実施しており、医師および各部門からの講師(看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士、検査技師)が、当院オリジナルの資料等を駆使して講義に当たっております。
 
週末を利用した短期の体験入院プランもあります!
仕事の都合などで入院が難しい方々には、「泊って学ぼう糖尿病」をキャッチフレーズとした短期の週末糖尿病療養体験入院を行っています。週末の金~日曜日(2泊3日)、あるいは土・日(1泊2日)を利用して、カンバセーション・マップの他、フットケアも体験していただくことで足をケアすることの重要性を実感していただいています。

 

【週末糖尿病療養体験入院】

 

  1. 申込手順
  2. 糖尿病パス 1泊2日
  3. 糖尿病パス 2泊3日
  4. 糖尿病療養体験入院のご案内

霽月会


 
 患者さまと医療スタッフ29名で結成されている「霽月(せいげつ)会」と称する友の会は、日本糖尿病協会発行の雑誌「さかえ」の配布購読の他に、講演会(ランチョンセミナー)やランチバイキングなど、「無理なく、楽しく」をモットーに、年1回の活動を継続しております。霽月とは、雨上がりの澄み渡った空に月が冴える景色を表しており、少しも執着がなくさっぱりとして澄みきった心境を形容して使われる「光風霽月」からとったものです。
糖尿病をこのような心境で受け入れて、自分自身を大切に管理していただきたいという思いが込められています。会員募集中です。 スタッフ一同、患者さまの「生活の質」の向上を目指して、しっかりとした良質の医療を提供しつつ、患者さまに寄り添い、糖尿病合併症の発症・再発防止に貢献して参る所存です。

霽月会開催の様子はこちら

 

内分泌疾患診療

 

現在定期通院中の内分泌疾患の患者数は523名です。特にバセドウ病や慢性甲状腺炎を中心とする甲状腺疾患精査の目的や二次性高血圧の鑑別を目的に受診されたり、他院よりご紹介いただく患者さまが増えております。外来診察室での甲状腺エコー検査、必要に応じて各種内分泌負荷試験を実施しての診断も可能です。hCG、FSHや成長ホルモンなどの自己注射による補充療法、管理にも積極的に取り組んでいます。また、原発性アルドステロン症の確定診断に必須となる、ACTH負荷選択的副腎静脈サンプリングが、当院の第1循環器内科で実施できるようになりました。原発性アルドステロン症の診断から治療まで一連の診療を当院で完結できる体制が、ようやく出来上がりました。
 内分泌疾患という解りにくい病態について可能な限り丁寧に説明を行うことで、少しでも患者さま方の不安を緩和できるよう努めております。当科は、内分泌疾患診療の専門施設(鹿児島県では、当院と鹿児島大学病院のみ)として、多くの患者さま方に適切な医療を提供していけるよう今後も努力して参ります。