皮膚腫瘍科・皮膚科このページを印刷する - 皮膚腫瘍科・皮膚科

皮膚腫瘍科・皮膚科

【対象としている部位(疾患名)と腫瘍の特徴】

 皮膚腫瘍科・皮膚科は、皮膚腫瘍に特化した診療を目指して、平成26年10月1日に開設しました。私たちは、皮膚疾患の中でも悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がん、有棘細胞がん、日光角化症、ボーエン病、乳房外パジェット病などといった皮膚がんや、母斑をはじめとした良性の皮膚腫瘍の診断・治療を専門として行なっています。

【当院の診療の特徴】

 当科は全国でも数少ない、皮膚科専門医(および学会認定皮膚悪性腫瘍指導専門医)と形成外科専門医(および学会認定皮膚腫瘍外科分野指導医)で構成された皮膚腫瘍の専門施設です。現在は、皮膚科専門医2名(うち1名は産業医科大学から着任)、形成外科専門医1名、皮膚科専修医1名(京都大学皮膚科から着任)の常勤医師4名での診療を行なっています。皮膚がん診療については、全国そして世界の皮膚がん診療・研究施設と連携して、患者さま一人ひとりに合った最良の医療を提供します。そして、母斑をはじめとした良性の皮膚腫瘍については、美容的な観点からも患者さまに満足していただけるような診療を目指しています。

 

【症例数と治療法(年次)】

 皮膚腫瘍や皮膚外科疾患に特化した診療のもと、新患数・手術件数ともに開設以降、徐々に増加してきました。平成28年度の皮膚がん新患数、手術件数、外来新患数、入院新患数は以下の通りです。

皮膚がん新患数 301例
メラノーマ 24例
基底細胞癌 116例
有棘細胞癌 48例
乳房外パジェット病 10例
血管肉腫 3例
メルケル細胞癌 3例
脂腺癌 5例
ボーエン病 38例
日光角化症 34例
その他 20例
手術件数 900件
外来新患数(院外紹介/院内紹介): 1200例/266例
新規入院患者数 483例

 

【最近のトピックス】

  1. 当科では数多くのがん薬物療法を行なっていますが、メラノーマに対して免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ(オプジーボ)やイピリムマブ(ヤーボイ)が承認されて以降、免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療をエビデンスに基づいて積極的に行なっています。メラノーマに対する免疫チェックポイント阻害薬の使用実績は鹿児島県内で随一の施設です。
  2. 免疫チェックポイント阻害薬は、その劇的な効果の反面で、免疫関連の副作用が起こることがあります。私たちの施設を中心に鹿児島がん免疫療法サポートネットワーク(Kagoshima Immunotherapy Support Network;KISNet)を設立しています。KISNetで診療科・多職種の横断的な融合を図り、免疫関連の副作用に対して迅速な対応ができるようなシステムを構築しています。このように患者さまに対してより安全かつ有効な治療を提供しています。
  3. 当科は日本臨床腫瘍グループ(JCOG)、および国立がん研究センター研究開発費皮膚腫瘍グループ参加施設、さらに多くのがん診療・研究機関と連携していることもあり、多施設共同研究に数多く参加しています。このような臨床研究を通じて、一人一人の患者さまにとっての最良の医療が提供できることを目指しています。