独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

腎臓内科

診療科の紹介

当院は日本腎臓学会研修施設に認定されております。

腎臓内科診療の3本柱

① 腎炎・ネフローゼ症候群

適切なタイミングで検査・治療を行うことにより、治癒や改善が目指せます!

② 慢性腎臓病(CKD)

早期に治療介入することにより、将来の透析・脳卒中・心筋梗塞のリスクが減らせます!
当科は鹿児島市慢性腎臓病(CKD)予防ネットワークの腎臓診療医に登録されています!

③ 末期腎不全

“医学的な要素”と“患者さまの自身の価値観”を踏まえ、血液透析・腹膜透析・腎移植の療法選択を支援します!

① 腎炎・ネフローゼ症候群

腎炎は腎臓だけに障害が起きる原発性(一次性)と全身疾患が腎臓に影響を及ぼす続発性(二次性)に大別されます。続発性腎炎を引き起こす全身疾患としては、悪性腫瘍・感染症・自己免疫疾患・糖尿病などがあります。腎炎の種類や程度は多岐に渡りますが、適切な時期に診断し、適切な治療を行う事によって、治癒や改善を目指すことが出来ます。

診断のきっかけは検尿による尿蛋白・尿潜血です。検尿異常を認めた場合は是非受診・紹介をご検討ください。必要な症例には腎生検を行い、早期診断・早期治療へ繋げて行きます。

② 慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)の患者さまは年々増加しており、国内に1,330万人いるとされ、新たな国民病となっています。慢性腎臓病(CKD)の発症や進展には、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病や、喫煙・肥満などの生活習慣そのものが深く関与しています。

慢性腎臓病(CKD)の怖い所は一度進展すると元には戻らないことと、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患の強い危険因子となることです。慢性腎臓病(CKD)の進展抑制と心血管系疾患予防には行動変容による生活習慣の改善が必須ですが、この行動変容は一筋縄にはいきません。

当科では、教育入院や継続的な外来での関わりを通して、行動変容による生活習慣の改善を含めた包括的な治療にて慢性腎臓病(CKD)の進展抑制を行います。

③ 末期腎不全

末期腎不全に至った場合の選択肢として、血液透析・腹膜透析・腎移植が挙げられます。それらの選択は、医学的な見地だけでなく十分な情報提供による患者さま自身の主体的な参加の上で行われる事が望ましいと考えています。

当科では、慢性腎臓病(CKD)の段階より時間をかけながら療法選択を行い、血液透析・腹膜透析の導入まで継続的に行っていきます。(腎移植希望の場合は紹介いたします)

 

患者さまへ

「どんな時に腎臓内科を受診したらよいか? 」と質問を頂くことがあります。

腎臓は「沈黙の臓器」と言われており、症状がなく静かに進行することがあります。腎臓疾患は、腎臓内科と泌尿器科で分担して担当しています。悪性腫瘍、尿路結石、細菌性尿路感染症以外の腎疾患については、主に腎臓内科で担当しています。

下記のようなことでお困りの際は、腎臓内科へご相談ください。

① 検診や病院の簡易検査で、尿タンパクや尿潜血が陽性の時

尿検査は腎臓の状態を映し出す「鏡」です。尿検査で異常が指摘された場合は、精密検査をお勧めしています。腎臓内科では簡易検査ではなく、精密な尿検査が可能です。

② 足が急にむくんできた時

足のむくみ(浮腫)は様々な疾患で出現します。心臓、肝臓、腎臓、内分泌疾患が代表的な原因です。尿に多量のタンパクが漏れている時、腎臓の機能が低下している時にも足のむくみは出現します。それぞれの原因に対する適切な介入が必要です。

③ 高血圧や糖尿病の治療中に腎機能が悪化してきた時

高血圧や糖尿病による腎臓病は、ゆっくり静かに進行します。多面的な介入(全身評価、食事療法、生活習慣改善)により進行を抑制することが出来ます。

④ そろそろ透析(シャント)が必要だと言われた時

腎臓の機能が低下した場合には、腎臓の代わりに身体の状態を整える治療(腎代替療法)が必要です。腎代替療法は、血液透析だけではなく、腹膜透析や腎移植もあります。それぞれのメリットや違いを十分に理解したうえで、治療法を選択することが大事です。

⑤ 腹膜透析について知りたい時

腹膜透析は歴史のある治療法ですが、近年その良さが見直されてきています。代表的なメリットとして、時間的制約が少ないこと、カリウム制限が少ないこと(果物や野菜の制限が少ない)、身体的負担が少ないこと(針刺しが不要、治療後の倦怠感が少ない)、密を避けられること、が挙げられます。

スタッフ紹介 【2021年4月1日現在】

古庄 正英 Masahide Furusho
医長

専門領域
  • 腎臓内科全般
  • 透析医療全般
  • 腹膜透析
学会専門・資格
  • 日本内科学会総合内科専門医・指導医
  • 日本腎臓学会腎臓専門医・指導医
  • 日本透析医学会透析専門医・指導医
  • 腹膜透析認定医
  • 経営学修士(MBA)

外来診療曜日・担当表

診療実績

2021年度診療実績
 延べ外来患者数 2,219人
 延べ入院患者数 1,569人
手術件数 25件

 

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
 腎生検件数 17 19 21 16
 外来腹膜透析患者数 9 14 17 22

業績

2021年度

論文(和文)
  1. 大毛夏菜子、他「出口部トラブルを未然に防ぐ取り組みについて」腎と透析Vol 91 別冊(腹膜透析2021)
  2. 末吉瞳、他「ペット飼育における腹膜透析の環境整備」腎と透析Vol 91 別冊(腹膜透析2021)
学会発表(国内)
  1. 大毛夏菜子、他「多面的に患者をサポートするための腹膜透析外来における看護師の役割」第27回日本腹膜透析医学会
  2. 古庄正英、他「療法選択を行う際に役立つ行動経済学の考え方」第27回日本腹膜透析医学会
講演
  1. 「PD関連感染症を最小化するための戦略的システム構築」PD学術講演会(2021.9 長崎)
  2. 「腎臓内科の貧血診療」鹿児島市医師会勤務医会研修会(2021.11 鹿児島)
  3. 「多疾患併存時代の腎疾患診療」Multimorbidity(多疾患併存)フォーラム(2021.12 鹿児島)
  4. 「PDの存在意義を考える」PD webセミナー(2022.3 福井)
  5. 「PDの存在意義とは?~誰に、どんな価値を、どのように提供するか?~」宮崎県腹膜透析研究会(2022.3 宮崎)
  6. 「Nephrologistの思考プロセス」出水郡医師会学術講演会(2022.3 出水)

トピックス

腎臓内科医師(常勤)募集

項目 内容
職種 医師(常勤)
診療科 腎臓内科
応募資格 医師免許取得後6年以上の者
勤務開始時期 応相談
人数 若干名
連絡先 furusho.masahide.fp@mail.hosp.go.jp

 腎臓内科は20184月に新たに開設された診療科です。鹿児島県は腎臓内科医の少ない地域であり、多くの患者さんをご紹介頂き順調に成長しております。開設後4年が経過し規模拡大に対応するため、広く人材の募集をさせて頂きます。

 腎生検による診断を基にした腎炎診療、他職種連携による慢性腎臓病進行抑制のための外来・入院診療、選択肢を提示した腎代替療法の提供(自科によるシャント作成・腹膜透析用カテーテル挿入を含む)、院内コンサルト(急性腎障害や電解質異常など)を中心に行なっています。当科は腎疾患診療を幅広く行なっており、腎移植以外の全ての腎疾患診療に携わることが可能です。

 特に腹膜透析診療には注力しており、カテーテル挿入から外来維持まで一貫した診療を行っております。20名以上の腹膜透析患者さんの外来診療を行っておりますが、早期離脱や腹膜炎を防ぐ仕組みを構築しています。

 また、日本腎臓学会研修施設であり専門医取得も可能です。医師免許取得後3年目の専攻医は、鹿児島医療センター内科専門研修プログラムに所属しながら腎臓内科を主体とした研修が可能です(小倉記念病院(福岡県北九州市)や飯塚病院(福岡県飯塚市)との提携プログラムもあります)

 ・より必要とされる環境で、地域の腎疾患診療を支えたい方

 ・安定した環境でキャリア形成を進めたい方

 ・腹膜透析診療に興味がある方

など、少しでも興味を持たれた方は上記連絡先まで気軽にご連絡ください。

(腎臓内科 古庄正英)

独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター
099-223-1151 (代表)
〒892-0853
鹿児島県鹿児島市城山町8番1号
fax:099-226-9246
お問い合わせはコチラ

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