独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

院長のあいさつ

 新年あけましておめでとうございます。令和6年(2024年)を迎えご挨拶申し上げます。

 今度こそコロナ感染症が収束してきたようです。長いトンネルを抜けたのでしょう。やっと通常の日常に戻りつつあります。しかしながら救急患者数は例年通りに回復しているもの一般の予定入院患者はまだ戻ってきていない状況が続いています。

 地方(鹿児島市以外)の医療は人口減少や医療機関の撤退や医療スタッフの高齢化でだいぶ体力が落ちてきつつあります。それにコロナ禍で一気に拍車がかかったのではないでしょうか。一方鹿児島市内への急患搬入件数が増えてきていますが、次に鹿児島市の人口が減少に転じると地方と同様の現象が起きる可能性があります。鹿児島の医療を守るために、今こそ急性期医療から慢性期まで新たな仕組みづくりをすべきと考えています。まことの地域医療構想です。強いネットワーク、情報の共有化などがポイントになるのかもしれません。医療行政、医師会、大学病院、公的病院などが独自にバラバラで病院の在り方を考えるのではなく、担っていく分野をはっきり指し示し、与えられた分野を、責任をもって構築することで鹿児島全体の医療を守る形が作れるかが鍵です。鹿児島医療センターは、救命救急医療と高度な最先端医療を行っていますが、許されるのであれば、この分野の専門性を徹底することで鹿児島の医療に貢献したいものです。

【がん】
 手術、薬剤、放射線療法などのがん治療の進歩で、完治、緩解など長期生存できる時代になってきました。今はがんとともにどう生きるかを考える必要があり、治療のみならず、仕事と病気の両立支援や緩和ケアなど全人的な治療を充実すべきと考えています。当院も今までにまして努力していきます。耳鼻咽喉科では今話題の光免疫療法も行っています。

【脳卒中】
 非侵襲的なカテーテル治療(血栓回収やステント、コイル塞栓術)が増えています。安全に迅速に治療でき、一刻を争う疾患に最も適した治療の一つです。今年は脳血管専用の血管造影室を増設し、もっと貢献していきたいと思っています。

【心臓大血管】
 従来の治療に加え、カテーテルによる大動脈置換術(TAVI202312月で670例)や僧帽弁形成術(Mitraclip30数例)がかなり増えてきました。従来の治療よりは侵襲が少なく、より安全で効果のある治療で高齢者や基礎疾患を有するさまざまな患者さまに対応可能です。

【疾患横断的治療】
 糖尿病 腎臓病 口腔内ケアなど様々な基礎疾患を持っている患者さまへの対応が可能です。

 真っ当な医療を皆さんと一緒に考え、病気に立ち向かっていきましょう。今年もよろしくお願いいたします。


令和6年1月                  

院長 田中 康博

独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター
099-223-1151 (代表)
〒892-0853
鹿児島県鹿児島市城山町8番1号
fax:099-226-9246
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