独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

経皮的ペースメーカリード抜去術

 ペースメーカのリードは植え込まれている年数が長い場合は、静脈や心臓の壁に癒着を起こし牽引しても抜けない状態になります。過度の牽引は血管損傷や穿孔といった致死的な合併症を引き起こす可能性が高く、以前は開胸術や開心術による摘出が行われていました。

 経皮的リード抜去術では、スネアやシースなどの機器を使用して抜去する方法があります。2010年エキシマレーザーシース、2011年リードロッキングデバイス、2015年メカニカルシース・スネア、2018Rotationダイレータシースセットが保険適用となっています。

 感染が原因である場合と非感染症例に対するリード抜去術がありますが、適応としては、日本不整脈心電学会がガイドラインを出しております。

 感染症例に対しては、すべてのデバイス感染者が適応となります。

 非感染症例に対しては、リードあるいはリードの一部分に付着した血栓により引き起こされた臨床歴に有意な血栓塞栓症であり、他に治療手段がない場合、上大静脈狭窄ありいは閉塞が存在し、必要なリード追加が困難な場合、残存するリードが致死的な不整脈の原因となる場合、デバイス本体あるいはリード穿刺部の重篤な疼痛等が適応になり、その他にもガイドラインに適応が示されております。

 

経皮的リード抜去術の方法として、

①リードを引っ張るだけで抜去する単純けん引法

②リード内にリードロッキングデバイスを挿入しけん引する方法

③血管や心臓との癒着を剥離するために特殊なシースを使う方法があります。

 

 シースは単純な筒状構造になっているメカニカルシース、先端からエキシマレーザを発射できるレーザーシース、Evolution RL Rotationダイレータシースは、先端がドリルのように回転するシースなどがあります。これらは植込み部位からリードを抜去する場合に主に使用され、ペースメーカや除細動器リード周囲の癒着組織を剥離するリード抜去機器です。その他に、補助的な手段として、大腿静脈、内頚静脈など、デバイス植込み部位以外からリード全体または破断したリードの一部を抜去する場合には、リードを把持するスネアを用いたりします。

 リード抜去術には、心タンポナーデ、血胸、創部出血、心損傷、弁損傷、塞栓症(血栓、空気、感染性疣贅、リード部分)などの重篤な合併症を起こす可能性があります。これらの合併症が起きた場合には、外科的な緊急手術を要することがあるため、心臓血管外科医のサポート体制が必要である。リード抜去術を実施するためには、実施する医師や施設の要件があります。シースやデバイスに精通し、より多くの経験を積んだ術者が求められます。

 

 下記のハイブリッド手術室にて、心臓外科医の立会いの下にリード抜去施行しております。

 

リード抜去に必要なデバイス等

 ①ロッキングスタイレット

 

 ②レーザーシース

 

 ③メカニカルシース

 

 ④スネア

 

 ⑤Evolution RL Rotationダイレータシース

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