当院での不整脈デバイスの治療には、下記のようなものがあります。
①高度の徐脈性不整脈(洞機能不全症候群、房室ブロックなど)に対してのデバイス治療には、
・恒久的ペースメーカ植込み(経静脈的)
・リードレスペースメーカ
②頻脈性不整脈に対してのデバイス治療には、
・ペーシング機能付き植込み型除細動器(経静脈的)
・皮下植込み型除細動器(S-ICD)
・着脱式除細動器
③心不全に対してのデバイス治療には、
・両心室再同期療法(CRT)
④原因不明の失神、脳梗塞の原因診断に対してのデバイス治療には、
・植込み型ループ心電計
最近のデバイスは、大部分が遠隔モニタリング対応となっています。
遠隔モニタリングシステムは、患者さま宅に専用の中継機器を設置して頂き、自宅から植込みデバイスの情報を専用のサーバーへ送信し、医療機関から情報を閲覧できるシステムです。
近年、遠隔モニタリングシステムに同意していただき導入する患者さまが増加しております。
遠隔モニタリングシステムにより、バッテリーの状態、リード情報、ペーシング設定、心内波形および閾値、不整脈検出および治療状況、心拍数ヒストグラムや身体活動度の生体情報などがモニタリングできます。
これらの情報を参考にすると、異常の早期診断、入院期間の短縮、生命予後改善が得られるとのエビデンスがあることから、遠隔モニタリングは全ての植込み型心臓電気デバイス患者における標準診療と位置づけられています。
当院は、医師、臨床工学技士、看護師が役割を分担し、チームとして院内ワークフローを構築して管理していますので、医師にご相談ください。
特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によるソーシャルデイスタンス(社会的距離)の実施に有効であり、有害事象を増やすことなく対面診療の回数を減らします。患者さまは、来院の時間を節約でき、医師がイベントを早期検出することにより、早期介入が可能となります。患者さまが必要な治療を早期に受けることができるため、医療関係者ならびに患者さまにとっては有用であると考えられます。