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2022年3月18日当院で僧帽弁閉鎖不全症に対する経カテーテル的僧帽弁修復術(MitraClip)を初施行しました

2022年3月18日 当院で僧帽弁閉鎖不全症に対する経カテーテル的僧帽弁修復術(MitraClip)を初施行しました。

小倉記念病院から2名の先生を招いて、指導を受けながら、無事手技を終了することができました。

「僧帽弁閉鎖不全症」は僧帽弁という逆流防止の心臓弁の閉鎖が悪くなり、血液が左心室から左心房へと逆流してしまう病気で、効率的な心臓のポンプ機能が妨げられ、心臓の機能が低下や心不全の状態となってしまいます。治療としては僧帽弁形成術や人工弁置換術など外科手術が行われておりますが、体力が低下している方・手術による合併症リスクが高い方など、手術が困難な患者さまには薬物での治療法が行われてきました。 しかし薬物治療のみでは根本的な治療にはならず、すでにそれ以上内服を追加することが難しい患者さまはそれ以上の治療の手段がありませんでした。

そこで2018年4月から国内で経カテーテル的僧帽弁修復術(マイトラクリップ)という新しい治療法がはじまりました。その特徴は、カテーテルを使用し、開胸することなく、心臓を止めることなく、低侵襲に僧帽弁にクリップをかけることで逆流を制御する方法です。従来の外科手術と比較し、人工心肺を使用しなくて済むことから、身体への負担が少なく、高齢で体力が低下したり、 他の疾患を有していたりする手術困難な患者さまが対象となります。

【治療前】


【治療後】

循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医、臨床工学技士、放射線科技師、生理検査技師、各部門の専門看護師が協力して治療にあたる「ハートチーム」によってその治療適応などを決定し、治療や術後のケアを担当していきます。

今後鹿児島において僧帽弁閉鎖不全症に対する新たな治療法で、心不全でお困りの患者さまのお力になれることを期待しております。

 

文責:第二循環器内科 園田 幸一郎

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