独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

「鹿医セン便り Vol.215」

2024年3月1日(金)

定年退職のご挨拶 副院長 中島 均

 昭和62年にレジデントとして当時の南九州中央病院に1年間勤務しました。その後平成5年から循環器内科常勤医として再度勤務することになりました。

 当時は私自身の学位の仕事も終わり、循環器内科医としての理想を当院で実現するため、また循環器専門医、カテーテルインターベンション専門医等自身のキャリアアップにむけ研鑽しておりました。「循環器病で東京なら助かる命を鹿児島で失うことがあってはならない」をスローガンに、昼夜24時間頑張り続けていた記憶があります。その甲斐あって平成16年に国立病院九州循環器センターと改名、九州で唯一の国立地方循環器センターとして福岡を差し置いて循環器病の代表となったことで誇らしく思ったものです。

 平成18年から循環器・がん専門施設として鹿児島医療センターに名称変更、ガンにも力を注ぐ方向となりました。平成23年には、日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)九州地方会を開催することができました。

 平成24年からは救急部長、循環器内科部長を併任し、心臓病・脳卒中救急センター設立に邁進しました。当時の私は、干支が猪生まれの影響か、猪突猛進、皆様にご迷惑かけていたと思います。とくに若手後輩の指導での場面では、自分ができることは後輩もできて当たり前と思っており、今であれば到底許されない、パワハラまがいの教育を行なっておりました。今では反省しておりますので何卒ご容赦ください。平成28年には統括診療部長として臨床倫理委員会設置を行い、臨床では鹿児島初の経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)導入へ向け、当時副院長であった森山由紀則先生と資格獲得のため奮闘しました。今では順調に症例を積み上げ700例間近までになっております。平成29年からは現在まで副院長として医療安全、病院経営にもタッチすることになりました。経営なくして医療安全なし、医療経営の厳しい現実も経験することができました。医療安全部門では医療メディエーター導入や、医師の侵襲的処置時の合併症報告制度制定など他病院に先駆けて行いました。通算32年の長きに渡り、なんとか最後まで勤め上げることができたのも、職場で支えてくれた、後輩同僚先輩のおかげだと感謝しております。今後はお世話になった病院になんとか恩返しできればと思っております。鹿児島医療センターのますますの発展を祈念して最後のご挨拶とさせていただきます。

定年退職のご挨拶 臨床研究部長 城ヶ崎 倫久

 私は平成135月、当時は国立病院九州循環器病センターであった当院の臨床研究部に赴任しました。23年間の業務の中心は、主に臨床研究の推進と治験管理室の運営でした。臨床で忙しい先生方にいかに興味を持って臨床研究をしてもらうかを考え、また、自分でも研究を遂行する日々でした。平成21年からは鹿児島大学大学院医歯学総合研究科の連携大学院となり、大学院生を迎えることができるようになりました。若い大学院生と一緒に抄読会や勉強会をしながら実験し、博士論文を書いてもらいました。当院で医学博士が誕生する喜びを味わうことができました。今後は医師の働き方改革によって、研究や実験に割く時間の確保も困難になることが予想されます。そういった中で5人の医学博士の誕生に関われたこと、また、その中の1人が令和64月から国立大学医学部の教授に就任することが決まりました。私の定年退職の時期と重なり、感激の極みです。

 私のもう一つの仕事は治験管理室の運営でした。治験の推進は国立病院機構の使命の一つです。新しい治療を確立するには欠かせない治験ですが、国の方針もドラッグラグなどの問題を受けて変化してきています。たえず最新の情報を入手しアップデートさせていかなければなりません。今後とも治験推進へのご理解ご協力をお願いいたします。

 また、2021年の新型コロナウイルスワクチンの接種においては、職員の皆様のご協力で日本での先駆けとしてワクチンを受けていただきデータを収集しました。これにより日本におけるワクチン接種の安全性を担保できたのではないかと思っています。

 近年、臨床研究においても、治験においても、医療AI分野の研究開発と個人情報保護とその活用の方法など新たな課題があがってきています。加えて医師の働き方改革や急激な高齢化の進む日本の医療体制は、今は過渡期なのかもしれません。次期臨床研究部長の新たな体制の下で日本の臨床研究の推進に寄与されていくことを心から祈念しております。これまで23年間本当に有難うございました。

 

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◆定年退職のご挨拶
◆能登半島災害支援報告
◆第2回日本口腔ケア学会 鹿児島口腔ケアフォーラム
◆新任紹介

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