独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

「鹿医セン便り Vol.210」

2023年10月1日(日)

血栓回収療法250回記念

 近年、詰まってしまった脳の太い血管に対してカテーテルによる血管内治療が普及してきました。鹿児島医療センターも例外ではなく、毎年約40-50症例の治療が必要な患者さまが救急搬送されてきます。血栓回収療法の有効性が確立したのが2014年であり、鹿児島医療センターも同じ年に実施開始となりました。10年たった今、鹿児島医療センターでは通算250例の治療を患者さまに行いました。これは、救急隊や連携病院の先生、院内の先生方、多職種の方々のご協力のおかげで成り立っているといっても過言ではありません。脳卒中が急ぐ病気であるということが広く知られるようになってきたからこそ、今後も多くの医療関係者の方々のご協力が欠かせない分野であります。2022年度に本治療を行った患者さまで、治療を受けてから3か月後に自力歩行ができ、身の回りの事が自立している患者さまの割合は62.5%でした。つまり、治療を受けた約6割の患者さまが3か月後には身の回りのことが一人でできるようになっているということです。これは10年前では考えられなかった医師人生冥利に尽きる結果かと感じています。医師だけではなく、看護師、技師、リハビリスタッフなど多職種からなる脳卒中診療チームが協力をし続けてくれたおかげでこのような結果がでたのだろうと強く感じています。

 とはいえ、一刻も早く治療を行うことが重要な疾患であり、一部の患者さまでは時間の制約で本治療を受けることができない、または治療ができない病院に搬送されてしまい本治療を受けられないといった患者さまがいることは事実です。近年は超高齢化社会により脳梗塞患者も増加傾向で血栓回収療法の実施数が増えています。個々の患者さまに適切な医療を提供できるように日々研鑽していきたいと思いますので、脳卒中を疑う患者さまがおりましたらただちに救急受診をするように心がけて頂けたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。


【文責:脳血管内科医師 濵田 祐樹】

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