独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

「鹿医セン便り Vol.207」

2023年7月1日(土)

電気生理学的検査・カテーテルアブレーション 3000例達成

 

 現在の高周波によるカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)は1987年から行われている、頻脈性不整脈に対するカテーテルで行う治療法です。頻拍性不整脈に対する非薬物療法は1969年にWPW症候群に対して外科治療が行われ、1994年から経皮的カテーテル心筋焼灼術として保険適応され、多くの施設で施行されるようになりました。主な適応疾患は、上室性頻拍、心房粗動、心室頻拍、心室期外収縮などですが、2000年頃からは心房細動も対象となるようになり、飛躍的に手術件数が増加しています。また、近年の三次元画像診断装置が発展し、より複雑な頻拍の治療も可能となり、心臓術後の心房頻拍など複雑な電気回路が想定される頻拍も積極的に治療しています。

 当院でも、2000年頃から、不定期ですが鹿児島大学の協力を得ながらカテーテルアブレーションを施行するようになりました。20091月からは治療施行医が常勤となり、徐々に症例数が増加しています。年間の症例数は、200968例でしたが、2016年には200例を超え、2018年には336例となりました。2022年度には、当院でのカテーテルアブレーションは3000例を超えることができました。

 現在、症例の約7割が心房細動症例となっています。1999年に私が土浦協同病院に国内留学中、フランス留学から帰ってこられた高橋淳先生を中心に心房細動アブレーションが始まりました。その当時は、ハードルの高い治療のイメージがあり、これほど広く行われるようになるとは思っていませんでした。課題も多いですが、現段階では心房細動に対してのカテーテルアブレーションは、最も有効的な治療となっています。全身麻酔下で、当初は1例あたりに長い時間がかかっていましたが、看護師、臨床工学士、臨床検査技師、放射線技師の皆さんが積極的にアブレーションにかかわっていただき、スムーズにより安心して治療を行える環境となりました。最近ではより有効的で、効率的、合併症が少なくなるように、イリゲーションカテーテル、冷凍バルーン、ホットバルーン、レーザーバルーンといったデバイスの進歩もあります。その分多くの患者さまを治療できるようになっています。今後も、安全な治療を心掛けていきたいと思います。また、この分野の治療も日進月歩で、さらに新しい知見、技術が進歩しています。いち早く患者さまに最新の治療が届けられるよう日々精進していきたいと思っています。

【文責:不整脈治療科部長 塗木 徳人】

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