1.ご挨拶
2023年5月に新型コロナウイルス感染症も5類となり、さまざまな活動が再開し、コロナ禍前に戻りつつあります。医学研究活動も、再開され、当院の職員も国内外の発表が始まってきました。喜ばしいことです。ただ新型コロナ感染症の負の影響は大きく、そこから復活するにはもう少し時間が必要ですし、かなりのエネルギーを要することでしょう。ただ、医学の未解決なことはコロナ感染症とは無関係ですので、今まで温めてきた、自分の研究を発表し、論文作成まで行ってもらいたいものです。
現在若者の知的欲求が低下している印象も受けます。コロナ感染症や働き方改革でより拍車がかかったようにも見受けられます。些細な事でも疑問に感じたことをまずは調べてみてはどうでしょうか。単に日常の臨床に追われるだけの生活では、何か物足りなさを感じます。そこの隙間を埋める一つの手段として研究があると思っています。眼の前の現象を観察し、疑問を抱き、極めたいと言うこだわりを持つことが、研究のきっかけになるでしょう。さらに極めていくとますます研究に対する面白みや喜びが生まれてくると思っています。
鹿児島医療センターの研究部門がコロナウイルス感染症以前にも優る活動を行う事を期待したいと思います。若手のこだわりに期待します。小さなことに感動し、大きな成功を収めてもらいたいと思います。
院長 田中 康博
2.2023年度 臨床研究を振り返って
準備中
3.臨床研究部の活動 (2022年度)
(1)臨床研究
NHO共同研究として自己免疫性疾患特異的iPS細胞を国立病院機構弘前総合医療センターに提供し、共同研究を行っています。
本部主導大規模臨床研究(EBM研究)としては5件の課題に参加しています。内訳としては外科2件、血液内科1件、糖尿病・内分泌内科1件、循環器内科1件でした。
NHOネットワーク研究にも積極的に参加しており11件の課題があります。内訳としては血液内科が5件、糖尿病・内分泌内科、外科、病理診断科、臨床研究部主導、歯科口腔外科、脳血管内科が各1件でした。
NHOが主導する研究以外でも、各診療科、コメディカル、看護部、看護学校で独自の研究が行われており、研究課題数は全部で97課題ありました。
(2)競争的研究費
日本学術振興会科学研究費を歯科口腔外科の中村先生が主任研究者として1件、分担研究者として1件獲得しています。
厚生労働省科学研究費を小児科が2件、日本医療開発研究機構研究費を皮膚腫瘍科・皮膚科が3件、脳血管内科が1件をいずれも分担研究者として獲得しています。
民間セクターからの寄付金は6件あり、心臓血管外科が2件、消化器内科、皮膚腫瘍科・皮膚科、不整脈治療科、放射線室が各1件でした。
(3)治験・製造販売後調査
2022年度(令和4年度)は新規治験が1件ありました。継続契約の治験は第Ⅱ相が2件でした。そのうち医薬品の治験が1件、再生医療の治験が1件ありました。診療科の内訳としては脳血管内科が2件、循環器内科が1件でした。
2022年度に終了した治験としては契約件数が1件であり、契約症例4件のうち実施症例が4件であり実施率としては100%でした。
製造販売後調査については、2022年度新規登録のあった課題が17件ありました。内訳としては脳血管内科が4件、血液内科が3件、循環器内科が6件、皮膚腫瘍科・皮膚科が2件、心臓血管外科、糖尿病・内分泌内科、臨床研究部が各々1件でした。
2022年度の受託研究請求額は1294万円でした。
(4)倫理審査委員会・治験審査委員会・研究倫理教育
2022年度に倫理審査委員会は9回、治験審査委員会は12回開催しました。両審査委員会の外部委員として、元南日本新聞の有川賢司先生と元小学校校長の江口惠子先生に引き続きご協力いただいています。
臨床研究を行う上での倫理教育について国立病院機構では臨床研究に関わる全ての職員に研究倫理教育eラーニングプログラムであるeAPRINの受講を行っています。臨床研究部では鹿児島医療センターのeAPRINの受講登録・管理・受講支援を行っています。
(5)学会発表・論文発表 (当院所属として機構本部が認めたもの)
学会発表については、国内学会が104題、国際学会が3題でした。論文については、英語論文は25編、そのうち当院職員が筆頭者になっている英文原著論文は3編でした。和文原著・総説は13編、そのうち当院職員が筆頭者になっているものは12編でした。
業績発表、独自研究
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WoS/PubMED掲載英文論文 |
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英文原著論文(筆頭筆者) |
3本 |
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英文原著論文(筆頭筆者以外) |
15本 |
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英文原著論文以外(筆頭筆者) |
3本 |
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英文原著論文以外(筆頭筆者以外) |
4本 |
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和文原著論文等(筆頭筆者) |
12本 |
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和文原著論文等(筆頭筆者以外) |
1本 |
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国際学会発表(演者のみ) |
3回 |
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国内学会発表(演者のみ) |
104回 |
(6)日本学術振興会科学研究費申請
日本学術振興会科学研究費の申請にあたって「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく「体制整備等自己評価チェックリスト」および、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインに基づく取組状況に係るチェックリスト」を提出する必要があります。臨床研究部では、毎年この2つのチェックリストを文部科学省に提出しています。 また「体制整備等自己評価チェックリスト」については厚生労働省にも提出しています。
研究費の不正使用防止に向けた取り組みとして、公的研究費を使用されているすべての医師、事務職員、管理者に対してコンプライアンス教育のための動画を作成し、視聴後に誓約書を提出していただいています。
(7)鹿児島市医報学術への寄稿
当院は毎年2回春と秋に鹿児島市医報の「学術」コーナーに寄稿しています。
2022年度は第61巻9号に麻酔科の今林先生の「EDチューブの留置時にポータブルX線撮影装置を自ら操作することで透視法に近い方法となり得た症例の経験」が、第62巻3号には救急科の田中先生の「急性期肺塞栓症に対する当院の治療選択の現状と将来の展望」が掲載されました。
4.業績
研究業績集に各年度の業績をまとめて発表しています。



