脳血栓回収療法300例達成
詰まってしまった脳の太い血管に対してカテーテルで詰まった血栓を回収する、血栓回収療法を2014年から当院で開始しました。高齢化の影響もあり血栓回収療法の実施数は年々増加傾向で、10年後の現在、鹿児島医療センターで通算300例の治療を実施しました。血栓溶解療法(rt-PA静注療法)とともに脳梗塞発症早期でしか実施できず、かつ早く治療するほど効果が出やすい治療のため、院内外の多職種の方の協力が欠かせません。迅速な対応に感謝いたします。
この治療の対象になる方は脳梗塞の範囲が広く、重い麻痺や意識障害などの症状が出て運ばれてくる方がほとんどです。しかし血栓回収療法により症状が改善し歩いて退院される方もおり、治療し甲斐があると感じています。私はまだ血管内治療の駆け出しの身ではありますが、現在も新しい発見や器具が次々に出ている分野であり、今後も治療に生かせるよう研鑽してまいります。
最善の治療を行うためには症状が出た後の早急な受診が欠かせません。皆様もご自身やご家族で脳卒中を疑うような症状(片方の顔、手足の麻痺、ろれつが回りにくい、受け答えができないなど)がある際はすぐに救急受診してください。救急隊や近隣病院、院内スタッフの皆様も今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。
文責:脳血管内科医師 川畑 裕太郎