2024年12月に経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)通算800例目を迎えました
大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)が当院にて鹿児島県初2017年6月にて実施され2024年12月に800例目を迎えました。
まず、大動脈弁狭窄症は進行性の病気であり、重症化し症状(息切れ・失神・胸痛など)出現しますと命にかかわる可能性が高くなる病気であります。年齢の影響と思われがちでありますが、心臓の癌と例えられる予後の悪い疾患です。
根治的治療方法は、開胸による弁置換・TAVIしかないのが現状であります。
TAVIは大動脈弁狭窄症に対する治療のひとつで低侵襲治療として主に高齢者の方に始められた最先端の治療です。
当院で開始するに当たり県外への留学を経て十分な準備を行い、ようやく鹿児島での治療開始可能となって7年が経過しました。
当初はまだあまり知られていない最先端治療を少しずつではありますが治療を重ねましてここ数年は年間100症例を超えております。
2024年にはTAVI年間症例数142例の実績でした。
2022年に当院は九州で3施設目となるTAVI指導施設の認可をうけ、より最先端のTAVIが可能になっております。
日本でTAVI開始され10年以上、当院での開始から7年間の間に弁膜症に対する治療は目覚ましい進歩を遂げております。
TAVIに関しては、現在その治療成績から弁膜症治療ガイドラインも改訂され、大きくは80歳以上の方、その他透析患者様含めまして、多種多様な患者様に対しまして施行されるようになっています。
当院におきましても、鹿児島県が全国レベルに遅れることなく患者様方に標準治療として施術できるよう努力して参りました。
しかしながら、TAVI自体も低侵襲ではありますが、心臓の手術という面に関しましては開胸手術と同じくリスクも存在します。一人ひとりの患者様のリスクを当院ハートチーム(循環器内科医師、心臓外科医師、麻酔科医師、看護師、放射線技師、臨床検査技師、臨床工学士、理学療法士、医療クラーク)で検討し、最適な治療方法を検討しております。
何よりも患者様・御家族の方が、安心・安全にTAVIの治療を受けられるようハートチームも日々精進してまいります。
患者様・御家族様・御紹介頂く医療機関・かかりつけ医の先生方に深く感謝申し上げます。
(文責:第二循環器内科部長 平峯 聖久)
