令和6年度 鹿児島県総合防災訓練へ参加しました(奄美市)

今年度の県総合防災訓練が奄美市では10年ぶりに開催されました。今訓練では奄美大島近海を震源とするM8.2の地震が発生し、それに伴い生じた津波・崖崩れ、また同時期に大雨・洪水警報が発令され、山崩れや崖崩れなどへの警戒が必要となったという複合的な災害が想定された訓練でした。訓練には一般市民を始め、警察・消防・自衛隊など約80機関から1,000人程が参加しました。

当院からDMATチームの一員として医師1名、看護師2名、業務調整員2名で訓練参加しました。DMATチームの訓練は大きく2つ行われ、1つ目は民間航空が使用できないことを想定した海上自衛隊輸送機によるDMAT隊員の搬送訓練、2つ目は被災地での本部設置・運営、広域搬送拠点臨時医療施設(以下SCU)設置、合同救出・救護訓練でした。1つ目のDMAT隊員の搬送訓練は、鹿児島空港から奄美空港まで実際にC-130Rという輸送機に搭乗しました。搭乗口や搭乗方法など違いが多々あり、ほとんどの隊員が初めて搭乗する機会となり、とても良い経験となりました。

2つ目は鹿児島県DMAT隊員53名がそれぞれ、①県現地対策本部設置・運営訓練、②現場指揮所設置・運営訓練、救護所訓練、③SCU設置・運営訓練に割り当てられました。①にドクターヘリ調整本部を内設、③のSCU訓練は能登半島地震で得られた教訓からできたもので今回が初の試みでした。我々鹿児島医療センターDMATは②の訓練に割り当てられました。その中で松田logが現地指揮所に配置、田中Drが救護所リーダーに任命されたため、鹿児島医療センターDMATが救護所運営の中核を担うこととなり大変重要な役割を与えられました。救護所運営は設営から行い、導線やベッド数、ゾーニングなどを参加チームで話し合いながら行いました。離島訓練であり、航空医療のニーズが高くなるため、いかに重症患者搬送を円滑に行うかが肝でした。訓練が始まると次々に救護患者が搬送され、実践さながらの訓練でした。現場視察に来られていた塩田知事への対応・説明というイレギュラーもありましたが無事に訓練を行うことができました。

今回の訓練では、救護所の設営から始まり患者情報を記録する内容や搬送までの手順など、他のDMAT隊員と話し合いながら進めることができ、当院での災害訓練にも生かせる部分が多くありました。今後も、積極的に訓練に参加し、院内の災害対策や災害訓練等で貢献できるよう努めていきたいと思います。

【文責:臨床工学技士 溝口 将平】