特定臨床研究における重大な不適合について(臨床研究法手続きの不備)

 

このたび、当院で実施された特定臨床研究(未承認薬の投与)において、臨床研究法に定められた手続きを踏むことなく研究が実施されたことが判明しました。当該研究に参加された患者さんへの聞き取り等により、現時点で健康被害は確認されておりませんが、研究の適正な実施を意図した法の趣旨に反する重大な不適合と判断し、以下のとおり公表いたします。

本事案を重く受け止め、管理体制の不備について深く反省し、お詫び申し上げるとともに、引き続き、研究倫理教育の徹底、再発防止策の実施に努めてまいります。

 

課題名;『Pre-pilot study:バゾプレシンフラグメントによる認知症治療へのアプローチ』

 

 

1.不適合の内容

 20233月から20246月に当院の医師が行った特定臨床研究において、本来、研究の実施にあたっては、事前に認定臨床研究審査委員会の審査および承認が必要であるにもかかわらず、その手続きが行われていないことが判明しました。

 

2.対応状況

 20254月に研究に携わった医師より、当院研究事務担当者へ研究手続きについて相談があり、その過程で手続きの不備が判明しました。事案発覚後、当該医師へのヒアリングを行うべく何度も打診しましたが、対面でのヒアリングに応じてもらえず、メールでのやり取りも数回程度で協力を拒まれたことから、十分なヒアリングは実施できておりません。協力が得られない一方で、臨床研究部における保管検体の調査、参加された患者さんへの健康状態の確認など当院で実施可能な調査を先行して実施し、これらの状況を踏まえ、20257月に認定臨床研究審査委員会に重大な不適合事案として報告しております。

 

3.再発防止策

 本事案においては、研究を実施した医師の臨床研究法に対する認識不足および病院の管理体制の不備により、手続きの不備を事前に把握できなかったことが発生要因であります。今後は、当院にて行われる全ての研究が適正に実施されるよう、病院の管理体制について見直しを行い、以下の再発防止策に取り組んでまいります。

 

(1)組織体制および研究実施ガバナンスの強化

研究実施体制の見直し、ガバナンスの強化、倫理審査委員会の承認を経ない研究の実施を防止するため、年1回の研究進捗状況報告・研究終了報告に加え、各部門に実施中の研究(倫理指針適用研究、臨床研究法適用研究)一覧を配布し、未届出の研究がないかの自己点検と臨床研究部による情報の集約と精査を行います。  

 

(2)職員の倫理意識向上と教育の充実

院内研修において、研究倫理・オプトアウト・倫理審査の意義に加え、被験者の尊厳・安全・プライバシーの保護が臨床研究の最も重要な原則であることを明示的に教育するとともに、研究倫理教育の必要性や受講の意義を理解させ、倫理意識のさらなる向上と定着を図ることで、倫理・法令遵守にかかる職員教育の強化を行います。

 

(3)検体管理手続きの整備・徹底

臨床研究部の共同利用実験室における検体管理体制を抜本的に見直し、検体の保管申請手続きを明確化、検体搬出に関する管理を強化、モニタリング体制と年次点検を実施、及び、管理責任者を明確にすることで厳格な申請・点検・監視体制を整備・徹底します。

鹿児島医療センター 院長

問い合わせ先

 国立病院機構鹿児島医療センター 管理課長

 TEL 099-223-1151