独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

「鹿医セン便り Vol.155」

2019年3月1日(金)

「患者の意向を尊重した意思決定のための相談員研修会」を開催

 「患者の意向を尊重した意思決定のための相談員研修会」を平成31年1月20日に開催しまし た。 内容は、厚労省から神戸大学への委託事業「人生の最終段階における医療体制整備事業」の一環として全国で開催されている研修会(E-FIELD)のプログラムに準じたものです。平成303月に厚労省から「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が示されました。これは、平成19年に策定されたガイドラインに、介護の現場でも普及を図ること、Advance Care Planning (ACP)の概念を盛り込んで改訂されたもので、要点は、①多職種からなる医療ケアチームで判断すること(ひとりで決めない)、②徹底した合意主義で、本人の意思を第一に尊重する。家族等の気持ちに寄りそう、③緩和ケアの重視・充実の必要性という3点です。研修会の目的は、このプロセスをロールプレイやグループワークで学び、プロセスガイドラインを理解し実践、必要な法的、倫理的な知識の習得、家族・介護者が患者の最善利益を考えることができるような相談・支援を実施、患者に『これからの医療・ケアに関する話し合い』(ACP)を適切に実施できるというものです。

 今回は、70名の医療介護職の方に修了して頂きました。参加申込はその倍程あり、会場の関係でお断りしなければならなかったことをお詫び申し上げます。今まで終末期医療が主にがん領域で取組まれてきた感がありますが、当院から心臓病・脳卒中領域からも参加し、一緒に学ぶことができました。参加者からは、研修会への高い評価をいただきましたので、質の高いend-of-life careに必須のものとして、 Advance Care Planning(ACP)が、医療介護の現場で重要なものと位置づけられてくことと期待されます。

今後、この研修会は様々なところで開催されていくことになりますが、それとともに国民にACPの愛称である「人生会議」が定着することにより、死について語ることにタブー意識の強い日本社会でも、自分の人生の最終段階について考える機会が増えていくことが期待されます。

最期に、この研修会に協力頂きました、神戸大学木澤義之先生をはじめ多くの講師・ファシリテーターの皆様と、鹿児島県、鹿児島県医師会等多くの後援を頂きましたことに感謝申し上げます。

                        統括診療部長 松崎 勉

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