「鹿医セン便り Vol.220」

MRI装置更新のお知らせ

 

MRI検査は、X線を使用せずに磁気と電磁波の作用によって人体の色々な部位の断面を撮像することができる画像診断装置です。Ⅹ線検査のように放射線被ばくの心配がないことや、造影剤を使わなくても血管が撮影できる特徴を生かして、頭部、腹部(肝臓、胆嚢、膵臓など)、骨盤(子宮、卵巣、前立腺など)、脊椎、心臓、皮膚、筋肉などの多岐にわたる部位に対して、病気の広がりや程度の診断に活用されています。当施設では、MRI装置を2台保有しており、令和5年度は約6,000件の検査を実施しました。

医療技術や機器の進歩は目覚ましく、最新の技術に対応するために十数年で新しい装置の導入を検討する必要が有ります。当施設でも平成19年より使用してきた1.5テスラMRI(シーメンス社製)装置を更新して、令和6年63日より稼働を開始いたしました。通常機器の更新は装置システム全体を新しい物に交換するのですが、今回は、MRI装置の基本構造であるマグネット部分は半永久的に使用できる設計になっているためマグネットを残して、それ以外の機械コントロールユニットやコンピューター、さらに信号を受信するコイルなどのパーツを全て交換して、全く新しい装置にRebornさせて再活用する環境に配慮した更新でありました。(図1

MRI装置は、旧装置に比べ装置が人体からの信号を捉える能力が約40%向上しました。その結果、少ない信号でも画像が作成可能となり、画像の画質が顕著に向上したことと検査時間が大幅に短縮しました。(図2)。これにより、今まで苦手としていた心臓などの動きがある部位(図3)や、下肢などの広範囲の撮影部位(図4)に対しても臨床応用が可能となり、MRI装置の適応や有用性が広がりました。また、撮影室環境も木目調の壁紙や明るい照明を採用して、患者さんにリラックスして検査を受けて頂けるように配慮いたしました。(図1)

最新のMRI装置を最大限に活用して、TVドラマの『ラジエーションハウス』に負けない最良の画像診断情報の提供を目標にスタッフ一同努力しておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

【文責:診療放射線技師長 宮島 隆一】