「鹿医セン便り Vol.225」
新年あけましておめでとうございます
2025年(令和7年)の新年の挨拶を申し上げます。今年も皆さんの期待に応える病院を目指し、頑張っていきたいと思っています。
年々、医療界は厳しくなっているのが現状です。特に新型コロナウイルス感染症を契機に、時計の針が予定より早く進み、様々な問題点が露呈されてきました。人口減少、少子高齢化、生産年齢の減少、物価や人件費高騰など社会問題が出現し、医療界も大きな波に飲み込まれている感じです。現在あるいは将来に向けて、自ずと医療の在り方も変わるべきですが、変わっていない、いや変われないのが今の状況ではないでしょうか。今こそ変わらないと2040年問題をクリアできないと思っています。
鹿児島医療センターは、「がん」「脳卒中」「心臓大血管」を3本柱に糖尿病、腎臓、歯科口腔外科などのサポートを受けながら、患者さんにとって最適な医療を提供しています。ひとりの患者さんの命を救うのに多職種で、多くのスタッフがかかわり、さらに高品質な医療を提供することができるようになりました。この医療は継続したいと思います。
がんに関しては、耳鼻咽喉科や皮膚腫瘍科、血液内科、婦人科など高いシェア率の診療科も引き続き実績を積んでいますが、さらに消化器系が少しずつ充実してきました。また、がんの治療率の向上とともに、生存率も改善し、がんとの共存が重視されています。がんの相談窓口では仕事や修学の両立支援や精神的サポート、経済的問題など様々な相談に応じています。がんの治療のみならず全人的ケア、社会復帰へのお手伝いなどもさせてもらっています。仕事と治療の両立支援は若年性認知症、慢性心不全、脳卒中後遺症なども対象となります。
高齢化が進むと、ひとりで複数の病気を持っている患者さんが増えています。治療が複雑化する要因でもあります。新たにマルモ外来(マルチモビディティーに特化した外来)を始めました。このような形も将来へのパイロット事業と考えています。
心臓や脳血管の治療もカテーテル(カテ:医療用の管)を用いた治療を多く取り入れ、迅速に行えるようにしています。心臓のカテ室を3室、頭部、腹部専用カテ室を1室、ハイブリッド手術室を1室設置し、従来の治療(冠動脈疾患、不整脈アブレーション)に加え、心臓、脳および消化管の新しい血管治療に対応できるように成りました(経皮的大動脈弁置換術 TAVI 800例、経皮的僧帽弁形成術 Mitral clip 50例、経皮的脳血管治療300例を達成)。
鹿児島の医療の発展のためには啓もう活動も重要です。年3回の市民公開講座(がん、脳卒中、心臓大血管)を通して、皆さんとともに医療のことを考え、良い医療の形を創っていきたいものです。
鹿児島医療センターは「心のある医療人」「納得する医療」を目指し、職員一同、精進していきます。今年もよろしくお願いいたします。
文責:院長 田中 康博



