「鹿医セン便り Vol.227」

退任のご挨拶

2017年(平成29年)7月に鹿児島医療センター院長に就任し、20253月に退任することになりました。約8年間、本当にお世話になりました。前任の指宿医療センターでも8年間院長を務めましたので、院長としては計16年間となります。自分なりにできることはベストを尽くして務めてきたつもりです。私は常に鹿児島の医療の発展を願い、行動してまいりましたが、予測以上の人口減少、少子高齢化、働き方改革などの制度の変化など、地域医療にとっては厳しい時代を迎えようとしています。既存の仕組みではどうにもならず、新しい医療の仕組みを構築すべきと思っています。研修医制度や専門医制度さらに大学医学部の医局の在り方、それに伴う医療者の偏在などに対してもいろいろと解決を試みようとしているものの功を奏していない気がします。私もまだ、鹿児島の医療の発展に貢献したい気持ちはありますが、新しい発想と行動力のある若い人に託したいと思っています。

管理者として DPC7:1看護などの導入で、経営的にも向上した病院成長期、新型コロナ感染症パンデミック、さらに少子高齢化よる医療の停滞期を経験しました。今後も鹿児島医療センターが担う医療は未来永劫変わることはないと考えています。

さて、私が任期中に行ったことは、ハイブリッド手術、TAVI(カテーテルによる大動脈弁置換術)、Mitraclip(カテーテルによる僧帽弁形成術)、Impella(ポンプ付きカテーテル)、LVAD(心臓補助ポンプ)管理施設、光免疫療法、脳血管カテーテル治療、消化器内科外科の充実、腎臓内科新設、さらに鹿児島逓信病院機能移転(合併)による増床(370→410床)、鹿児島医療センター附属看護学校の閉校(大学化)、鹿児島大学連携大学院の講座名変更(生理活性物質制御学臨床情報医工学)、内科専門研修施設新設などです。今後の鹿児島の医療に役立ってもらえれば幸いです。

今こそ、日本の医療は旧態依然とした医療体制を見直し、新しい医療の仕組みを作らなくてはなりません。人口減少の地域では、今までできていた医療ができなくなってきていますので、どのような対策を打つのか、大難問を突きつけられています。住民の方々、医療関係者にも辛抱してもらうことも出てくるかもしれませんが、お互いに良く話し合い、より適した仕組みを創らなくてはなりません。私は第一線を退きますが、これからも地域医療の小さな歯車のひとつとして関わっていきたいと思っています。

鹿児島医療センターは鹿児島県になくてはならない施設で、地域に役に立つのはもちろん、「すごいと言わしめる病院」を目指さなければなりません。それが鹿児島医療センターの使命であり、鹿児島の住民の皆さまへの奉仕と思っております。今後、ますます鹿児島医療センターが発展することを祈念し、皆様とお別れしたいと思います。本当に有難うございました。素晴らしい経験ができましたこと皆様に感謝いたします。

院長 田中 康博