独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

診療の最前線 年間アーカイブ

最新記事 (20件) カテゴリから選ぶ 年間アーカイブ

リードレスペースメーカに房室同期ペーシング機能が新たに搭載されました

 2017年9月に本邦において、リードレスペースメーカ植込み(Micra)が保険償還され、当院においても2017年9月14日に第1例目を開始し、20217月で200件を達成しました。
 リードレスペースメーカは、大腿静脈からアプローチし、わずか容積0.8cc/重さ1.75gのデバイスのみを右室内に挿入するペースメーカです。これまで心室ペーシング(VVI/VVIR)設定のみに限定されるペーシングモードでしたが、Micra AV202111月より使用できるようになり、安静時の房室同期が可能となりました。植込み手技における手順に違いはありません。

『TAVI専門施設』認定

いつも患者さまをご紹介いただき、大変ありがとうございます。
当施設は地域中核病院として、心臓弁膜症を含めた循環器診療に尽力しており、このたび当施設がTAVI専門施設に認定されましたので、ご報告させて頂きます。
平素よりお力添えを賜り、誠にありがとうございます。

心房細動アブレーション ―レーザーバルーンの導入―

現在、3種類のバルーンが認可されています。
これまで、当院でもホットバルーン、クライオバルーンを使用してきましたが、この度レーザーバルーンを導入いたしました。
それぞれの手技の特徴と利点を考慮したうえで、理想的な肺静脈隔離が患者に提供できるようにいたしますのでご相談ください。

当院での心不全カンファ、ACP(advance care planning,人生会議)の取り組みについて

 今回は、当院の心不全に対しての取り組みの一つであるカンファについて紹介させていただきます。

 高齢化社会に伴い、心不全の患者さまは増加傾向にあり心不全パンデミック(心不全の大流行)という言葉もいわれています。日本でも約120万人の心不全患者さまがいると推定され、日本循環器学会、日本心不全学会からは2017年に、『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。』という心不全の定義を発表しています。そして、作成の経緯として、循環器疾患の死亡数が多いこと、心不全の予後も決して良いものではないにもかかわらずその事実や心不全の怖さ(完治しないことなど)があまり知られていない状況についても触れられています。 確かに悪性腫瘍などと比べ、『心不全』が命にかかわるという認識は広く一般には浸透していないと感じることは多いと思われます。

PICC外来開設のお知らせ

食事がとれない方、抗がん剤など薬液が漏れることなく確実に点滴を行いたい方、点滴を刺す血管がない方、長期間点滴が必要な方に対して、今までは中心静脈カテーテル(細い点滴の管)というものを挿入しておりましたが、活動が制限されたり、長期挿入にて感染を起こしたりするなどの合併症により長期間使用するのは困難でありました。

当院では末梢より穿刺して中心静脈カテーテルと同じ役割を果たすPICCを挿入することで、今までの中心静脈カテーテルの問題点を解決し、長期間にわたる点滴管理を可能にしております。

今回、PICC外来を開始し、その対象を院外の患者様や他の病院、施設に入所中の方や在宅で治療中の方で長期に点滴加療が必要な患者様に提供できるような体制をとることといたしました。

経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)300例を迎えました

 大動脈弁狭窄症に対する治療、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)は2013年に日本で保険診療が開始されました。鹿児島県では施設整備等の遅れのため、なかなか実施できない状況が続きましたが、20176月に当院が鹿児島県で最初の症例を経験することができました。その患者様は今もご存命で、年1回の診察のたびに、その当時お互い不安の中で一緒に闘い抜いたことを思い出し、ともに涙を流しながら今健在であることを喜んでいます。しかし、その治療開始は都道府県別で43番目、施設別では118施設目と、出遅れたことにより、鹿児島でTAVI治療を施すことができず、今では救命できる患者様を救えなかった悔しい経験を思い出します。

2020年12月3日鹿児島県初の自己拡張型人工弁での経カテーテル大動脈弁置換術 (TAVI)施行!

 2020年12月3日鹿児島県初の自己拡張型人工弁での経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)施行しました。
 70歳未満では1%未満、80歳以上になりますと、7%程度の頻度と言われる大動脈弁狭窄症ですが、無症状の方から、胸痛・息切れ・失神など様々な症状を認め、症状出現からの進行が早く、大変予後の悪い疾患となっています。その大動脈弁狭窄症に対する治療戦略は、2020年弁膜症ガイドラインの改定により変貌しつつあります。
 2020年、日本循環器病学会でのガイドラインが改訂され、より低リスクの患者さまへの治療適応の方向性が示されました。大まかな目安として、75歳未満でSAVR、80歳以上で、TAVIとなっています。当院では、それぞれの患者さまに合った治療方法を多職種によるハートチームカンファレンスで検討した上で、決定していきます。

独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター
099-223-1151 (代表)
〒892-0853
鹿児島県鹿児島市城山町8番1号
fax:099-226-9246
お問い合わせはコチラ

page top

Copyright © 2019 National Hospital Organization Kagoshima Medical Center.