独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター

診療の最前線 年間アーカイブ

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2020年6月25日 経カテーテル大動脈弁置換術200例超えました

心臓弁膜症の患者さまは年々増加しています。そのうち最も多いものが大動脈弁狭窄症で、加齢により動脈硬化が進行すると、弁そのものの変形や石灰化により大動脈弁の狭窄が進行する病気です。そして息切れ、胸痛、失神発作等の症状が出現した場合や、心不全のため入院した時点で手術の適応となります。また、無症状の方でも、かなりの重症になりますと、手術が勧められます。
重症の大動脈弁狭窄症は70歳未満では1%未満ですが、80歳以上になりますと、7%程度の頻度と言われています。

心臓植込み型デバイスにおける遠隔モニタリングシステム -植込み患者のデバイスの定期的な対面診療を支えます-

当院での不整脈デバイスの治療には、下記のようなものがあります。

高度の徐脈性不整脈(洞機能不全症候群、房室ブロックなど)に対してのデバイス治療には、
  ・恒久的ペースメーカ植込み(経静脈的)
  ・リードレスペースメーカ

頻脈性不整脈に対してのデバイス治療には
  ・ペーシング機能付き植込み型除細動器(経静脈的)
  ・皮下植込み型除細動器(S-ICD)
  ・着脱式除細動器

③心不全に対してのデバイス治療には
  ・両心室再同期療法(CRT)

原因不明の失神、脳梗塞の原因診断に対してのデバイス治療には、
  ・植込み型ループ心電計

最近のデバイスは、大部分が遠隔モニタリング対応となっています。
遠隔モニタリングシステムは、患者さま宅に専用の中継機器を設置して頂き、自宅から植込みデバイスの情報を専用のサーバーへ送信し、医療機関から情報を閲覧できるシステムです。

より生理的なペーシングを目指したヒス束エリア・左脚エリアペーシングを始めました

 高度の徐脈性不整脈(洞機能不全症候群、房室ブロックなど)に対しては恒久的ペースメーカ植込みがなされています。ペースメーカのリード植込み部位は、安定した固定が得られることより長年、心房は右心耳、心室は右心室心尖部が主流でした。最近、心房は右心耳以外、心室は右室心尖部以外の部位が選ばれるようになってきました。
 右心室心尖部ペーシングは、医原性左脚ブロックによる左室非同期性収縮を誘発し、QRS幅が広くなり、心房細動や心不全が増加すると報告されています。特にペーシング率が高い場合は、収縮機能不全を来すため、右室ペーシング誘発性心筋症を招き、心不全と死亡率の増加につながりやすくなります。

脳血栓回収療法

脳血管内治療とは、カテーテルという柔らかい素材で作った細い管のようなものを用いて、血管の中から脳内の血管病変を治療するものです。従来の開頭による手術では治療困難であった様々な疾患が、この新しい方法によって治療可能となっています。脳血管内治療は、日本脳神経血管内治療学会で認定された専門医(指導医)によって行われます。

外科・消化器外科-最新の学術(2017-2020)

 鹿児島医療センターの外科・消化器外科では、知識や技術だけではなく、人間性を含めた全人的医療を患者様に実践することを心掛け、人間味のあるacademic surgeonの集合体を目指しています。論理的な思考力を養うため臨床研究を推進し、日本だけではなくグローバル医療の中で客観的に評価される英文雑誌に投稿してきました。今回、過去3年間、当科での臨床に基づいた英語論文7をご紹介します。Open Accessは論文PDFファイルの閲覧が可能です。その他はメールでリクエストいただければ、論文PDFファイルを送付させていただきます。

経皮的ペースメーカリード抜去術

 ペースメーカのリードは植え込まれている年数が長い場合は、静脈や心臓の壁に癒着を起こし牽引しても抜けない状態になります。過度の牽引は血管損傷や穿孔といった致死的な合併症を引き起こす可能性が高く、以前は開胸術や開心術による摘出が行われていました。

 経皮的リード抜去術では、スネアやシースなどの機器を使用して抜去する方法があります。2010年エキシマレーザーシース、2011年リードロッキングデバイス、2015年メカニカルシース・スネア、2018Rotationダイレータシースセットが保険適用となっています。

 感染が原因である場合と非感染症例に対するリード抜去術がありますが、適応としては、日本不整脈心電学会がガイドラインを出しております。

 感染症例に対しては、すべてのデバイス感染者が適応となります。

植込み型ループ式心電計

 繰り返す失神発作を認め、心電図やホルター心電図検査等のいろいろな検査をしても原因が分からない場合があります。このような場合に、診断に役立てるために開発されたのが、体内に小型心電計を植込むimplantable loop recorderILR)です。長時間心臓の拍動を継続的に監視し、不整脈や失神などの症状が起きた時の心電図を記録する装置です。

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